学部・大学院

大学院 人間文化研究科:人間文化専攻

人間文化専攻 【修士課程】

表現と実践の両面から、各国の多様な文化を研究し、人間存在の本質に迫る

人間の創造力は、芸術・思想・宗教など多様な文化的所産をその歴史に遺してきました。人間文化専攻では、文化を表現として分析し人間の営みを考察する「表現文化領域」と、文化を伝達し継承する方法を考究する「実践文化領域」の両面に研究を展開します。この2本の柱をもとに、文化に対する畏敬の念と理解に支えられた研究能力を身につけ、現代社会の要請に応える、真の意味での文化スペシャリストを育成します。


教員からのメッセージ

文化の研究にはさまざまな方法論があり、文化研究に関しても多様な解釈が存在します。日本の豊かな文化を今に残す京都という地で、日本の近代化以来、1200年の歴史風土に醸成された文化の深さに根ざした地道な学究が大きな成果を上げてきましたが、それは英語で文化を表すcultureという語が教養ということをも表すことと深く関わっています。これはまた、深い教養に根ざす真の意味での文化研究が人間事象の深層の探求を可能にすることを示しているのです。人間文化専攻では2010年度は2名が修了し、5期17名の修了生を送り出しました。種々のフィールドワークや自発的な研究会を通して、学部でのリベラルアーツ教育を基盤とした研究の発展・総合を実践する大学院として、今後もますますの成果を上げてまいりたいと思います。


めざす人材

文化表現を世界に発信する文化のスペシャリスト

  • 国際機関、NGO、文化・教育研究機関、
    各種公共団体、出版企業などにおける専門職

取得可能資格

  • 教諭免許(中学校専修 国語/高等学校専修 国語)

修士論文題目

  • 太宰治「善蔵を思ふ」論
    −「嘘みたいな、まことの話」を基軸に−
  • ベルニーニ『聖テレサの法悦』における超続的性格と現世的性格
  • 『アレクサンドロス大王物語』にみられる死生観
  • ルイス・キャロルと夢の国~時計と鏡に見たもの~
  • 英国のベッドタイムストーリーと日本の読み聞かせに関する考察
  • 『万葉集』巻二十一・二六四二番歌考
  • 表現としての服飾意匠に関する考察
    ~非言語的表現の視点において~

カリキュラム

人間文化専攻の教育課程は、研究の基礎能力を養う基礎科目、日本・中国・アラブ・イギリス・フランス・ドイツなど各国の文化を学び、国際交流、図書、情報など文化継承の方法を研究する専門科目、各自の課題に即した実践的な研究能力を身につける演習科目から成ります。

基礎科目

基礎科目は1年次必修で、文化の特性に関する認識の質的な転換をはかり、一層高度な理解力と運用能力を身につけます。

  • 文化学総論
  • 表現文化特論
  • 実践文化特論
  • 文化学研究方法論

専門科目

専門科目は、「表現文化領域」と「実践文化領域」の2領域に分かれ、「表現文化領域」では、個々の民族や社会集団特有の文化的所産である文学、絵画、音楽などを、それらの民族的・地域的特性や言語・宗教・生活風習などの文化的背景から探究します。「実践文化領域」では、多様な文化間の協調と共生の可能性を積極的に探究し、さらに諸文化において継承されてきた有形・無形の文化的所産をいかに未来に向けて活用するかを考察します。

<表現文化領域>

  • 日本語学特論
  • 英米文化特論
  • アラブ・イスラーム文化特論
  • キリスト教芸術特論

 

  • 日本伝統文化特論
  • 西洋音楽史特論
  • 西洋中世哲学史特論
  • 日本近代文学特論

 

  • 国語教育特論
  • 日中対照言語学特論
  • 中国語学特論

<実践文化領域>

  • 国際教育文化特論
  • 国際文化政策特論

 

  • 国際文化情報学特論
  • 出版文化特論

 

  • 図書館情報文化特論(子どもとメディア)
  • オープンソース特論

演習科目

演習科目には<専門演習><インターンシップ><特別研究>があります。

<専門演習>では、院生が「専門科目」の履修内容をふまえて修士論文のテーマの選択や研究の方向性について指導を受けます。

<インターンシップ>は、演習科目のひとつで、院生が国際交流事業や国際機関、また図書館などにおける実践力・応用力を修得するために、国内外の関係機関でおこなう実習のプログラムです。

<特別研究>では、それまでの全研究成果に立って修士論文を作成します。

  • 専門演習
  • 専門特別演習
  • インターンシップ
  • 特別研究

主な科目紹介

文化学総論

文化の概念は歴史的に大きく変化しています。それは常に拡張しつつあるのです。文化という言葉が新しい文脈で使われるたびに人間の営みを巡る何かの発見が示唆されるというべきでしょう。本クラスでは文化の概念の祖型とその拡長を跡づけ、それぞれの拡張によって何が発見されたのかを整理します。それをもって文化研究のための知の基礎固めの一端とします。

日本伝統文化特論

日本の文化は、近隣諸国からの多大の影響を固有に咀嚼して生起したものであるといえます。奈良時代以来の大陸文化を礎に絵画、文学、服飾にいたるまで唐風から和風に大転換した平安時代の伝統文化について、貴族ファッションを中心に絵画資料、文献資料などをもとに講述します。

アラブ・イスラーム文化特論

アラブやイスラームの世界の情勢は近年、国際政治の主題のひとつとして日常的に私たちの耳に入ってくるようになりました。この科目では、そんな国際政治の裏にあるアラブとイスラームの人々の生活、宗教、芸術、文学に関わるさまざまな文化要素を取り上げて検討し、その共通性と多様性を明らかにします。

国際文化情報学特論

現代の情報化社会にあって重要なことは、情報を単なる情報にとどめず生きた知識に転化することです。この講義では、多様な文化の諸相の情報を国際的視野にたって理解する能力を養成し、加えて各民族、各国家固有の文化の適切な記録保存のための科学技術のあり方を考察します。

インターンシップ

国際組織や国際ビジネスでの活躍を志す院生にとって、国際組織の仕事に直接関わったり、多国籍・外資系企業に特有の文化に接したりすることは不可欠な準備です。インターンシップの実施先としては国際連合広報センター・大阪府立中之島図書館・大阪府立中央図書館・風俗博物館・株式会社井筒などを予定しています。


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