京都ノートルダム女子大学 大学院人間文化専攻

京都ノートルダム女子大学  | 本学TOP | 人間文化専攻TOP |
大学院人間文化専攻 Cross-Culutural Studies 大学院人間文化専攻 Cross-Culutural Studies
   
 

研究のページ > 修士論文

 
 
論文梗概
 

魯 思含
「李白の詩における美意識について
―「月」に関する語彙を中心に ―」

 

 本稿は、李白の詩における「月」に関する美意識は従来の中国人の美意識と違い、李白の美意識の中にアンバランス的、アシンメトリーな考えが存在しているのではないかと仮説を立ち、李白の独自な美意識を考察することを目的として論述している。

 第一章では、唐以前に歌われる月について概観した。古代の月と、漢代と魏晋の月を二つ分けて論じる。結果からいうと、古代の月については、美的対象としての月を描かれていなかった。漢代と魏晋の月については、美的対象になり始めた。

 第二章では、李白の生涯を把握し、李白に関する先行研究の分析を行った。李白の独自な美意識を傍証する。

 第三章では、李白の美意識を二つの視点から考察した。李白の詩における語構造による「月」に関する語彙の分析とジャンル別による「月」の語彙の美的効果である。まず、語構造による「月」に関する語彙の分析については、名詞と名詞、名詞と形容詞あるいは形容詞と名詞、名詞と動詞あるいは動詞と名詞に分けて分析した。次に、ジャンル別による「月」の語彙の美的効果については、離別詩、男女恋愛の詩、自然詩と辺塞詩の四つのジャンルに注目して分析した。

 考察を通して、次の三点を明らかになった。 1.李白は細い月をよく描く。 2.満月を登場しても、従来の中国人の美意識のイメージを使わず、次元を超える話、人、特に女性の悲しみを対照的に描くために登場させる。 3.細い月を用い、アンバランス的、不安定と未確定な要素を持ち、人に希望をもたらし、想像の空間を与えることを明らかにしてきた。

 したがって、「李白の美意識の中でアンバランス的、アシンメトリー的な考えが存在しているのではないか」という仮説が成立すると結論を出した。さらに、仮説に想定していない結果も見えてきた。それは、李白のアンバランス的、アシンメトリーの描写に希望と明るさがはっきりと見えてきたことである。

 
 
 
 
BACK TOP HOME