京都ノートルダム女子大学 大学院人間文化専攻

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論文梗概
 
松本桜子   国際社会における文化触変
 
 論文では、国際社会における文化触変について述べている。本研究の目的は、文化と文化が接触するときに起こる変容、つまり文化触変に焦点を当て、様々な文化的要素について理解を深めること、さらに、国際社会といわれる現代において、文化が重要な要素となることを示すことによって、国際社会における文化の重要性を考察することである。
  まず本論文では、文化という非常に抽象的な概念に定義を与えている。その文化の定義に基づき、文化が内包する価値観について考察を進めている。さらに、文化の諸問題の原因となる文化対立や文化融合に関する研究を行うことで、文化に優劣はなくとも、強弱はあるということがいえる。本論文では、文化対立と文化融合の構造や概念について述べることによって、文化触変によって起きる文化の諸問題の考察を進めている。
  次に、本論文のテーマでもある「文化触変」という言葉についての研究を行った。異なる文化の接触が頻繁に行われている国際社会において、文化触変は身近な国際問題である。文化触変によって生じる様々な現象には、異文化との接触によって消失あるいは衰退してしまう場合がある。一方、元の文化と適切に融合し新たな文化の形を築き上げていく場合もある。本論文では、特に後者の文化融合のパターンに注目をし、元の文化を消滅させることなく、新たな文化要素も取り入れて発展を遂げた事例としてマルタ共和国とピジン・クレオールを取り扱っている。文化触変を、この二つの事例を扱い研究することによって、文化の問題を考える時に行われがちな文化触変におけるマイナス面ではなく、むしろ文化触変が受け手の文化に与えたプラス面と、文化触変によって文化が発展を遂げることが可能であることを示している。
  最後に、現在の国際社会において、文化がどのような役割を果たせるかという視点から、これからの国際社会における文化の重要性を示している。急速に国際化が進む現代において、文化が果たすべき役割は国際社会の行為主体となることである。
国際社会において引き起こされる文化触変に関する考察は、文化とは何かという基本的概念に向き合うことから始まる。これからの国際社会において、文化は単なる手段として利用されるものではなく、むしろ文化が主体となって国家を動かすような役割を担っていくべきであろう。そのためには、文化と文化の接触は避けて通れない。本論文では、文化触変による文化融合が、今後の国際社会の中では重要な課題であることを示すことによって、これからの国際社会における文化の重要性を提示している。
 
 
 
 
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