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ルイス・キャロルの足跡を訪ねて

松本朋子
人間文化研究科人間文化専攻
2007年度入学

 私は2007年8月27日から9月10日までイギリスに、ルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン)の足跡を辿るフィールド・ワークに行ってきました。この足跡を辿る旅は、舟崎克彦・笠井勝子著「不思議の国の“アリス”−ルイス・キャロルとふたりのアリス−」を頼りに、ダーズバリ(Daresbury)、ウォーリントン(Warrington)、オックスフォード(Oxford)、ギルフォード(Guildford)、ブライトン(Brighton)、ロンドン(London)、リポン(Ripon)、クロフト(Croft)、ビショップ・オークランド(Bishop Aukland)の9箇所を回ってきました。その中でも特に印象深かったのが、ダーズバリ(Daresbury)、クロフト(Croft)、ギルフォード(Guildford)の3箇所でした。

ダーズバリ(Daresbury)

ダーズバリ(Daresbury)は、ロンドンの北西に位置するチェシャー州の村で、ロンドンからは、電車とバスで約3時間のところにあります。この村の牧師館でルイス・キャロルは1832年1月27日に生まれました。私が、ダーズバリへ行った日は、小雨が降ったり、止んだりの天気で人通りがまったくない昼前に着きました。キャロルが洗礼を受けたオール・セイント・パリッシュ教会は、ダーズバリの小さなバス停のすぐ裏手にありました。人も車も通らず、教会も開いていなかったのですが、教会の向かいにある牧師館を訪ね、教会を開けてもらいました。教会に入るとすぐに、日本語で歓迎と書かれていました。日本人がいかに多くこの教会を訪ねてきているかが、窺えました。この教会にはルイス・キャロル生誕100年を記念して作られた「ルイス・キャロル・メモリアル・ウィンドウ(ステンドグラス)」や、生誕100年を記念したアルバムや遺品を入れてあったC・L・Dと刻まれた樫の木の机とケースや、「不思議の国のアリス」に出てくるグリフォンが刻まれた説教台などを見ることが出来ました。

この中でも一際目を引くのが、ステンドグラスでした。教会の内部に別室のように仕切られた部屋の奥にあり、牧師館にいた方が色々と説明してくださいました。この教会の他にも、焼失した生家の跡地へも行きたかったのですが、バスの本数の都合で諦めざる終えなかったのが、とても残念でした。

ダーズバリのオール・セイント・パリッシュ教会のメモリアルグラスの一部
ダーズバリのオール・セイント・パリッシュ教会のメモリアルグラスの一部


クロフト(Croft)

 次にクロフト(Croft)ですが、日本で調べた場所が途中同名の町で違うと気づき、引き返すなどのハプニングはありましたが、ダーリントンの町からバスで3・40分のところにある村でした。村の入り口はティーズ川の上を渡る橋があり、その袂にバスは止まりました。とても長閑な村で、川岸では親子連れがピクニックをし、近くの牧草地には沢山の羊がいました。このクロフトでルイス・キャロルは11歳の時に引っ越してきました。村の入り口の橋を渡るとすぐ右手に、ルイス・キャロルの父と母が眠っているセント・ピーターズ・教会が現れました。この教会の建物の中には入ることが出来ませんでしたが、この村には他にもルイス・キャロルが住んでいた牧師館(オールド・レクトリー)や、ルイス・キャロルの父が村の子どもの為に建て、キャロルが初めて教鞭をとった学校、また、キャロル・プレイス、ルイス・クローズと名づけられた通りも見ることが出来ました。その通りの側には「アリス・ハウス」と表札に書かれた家もありました。ただ、人通りがまったくなくこの「アリス・ハウス」がなんだったのかはわかりませんでした。

また、牧師館の庭に立つ一本の木は、チェシャ猫の出てくる木のモデルになったと言われた木だったようですが、木の根元には木の板でグルっと囲う形の椅子が出来上がっていた所為か、あまりイメージに合わないなという印象を受けました。

クロフトのセント・ピーターズ・教会
クロフトのセント・ピーターズ・教会

 

ギルフォード(Guildford)

 最後にギルフォード(Guildford)ですが、この地はルイス・キャロル終焉の地です。ギルフォードは丘陵地帯で、駅を降りて目の前の丘を登ると、その頂上にはギルフォード城(最近発掘調査が行われ、一般に公開されるようになった)があり、そのすぐ城の真下から、小さな公園になっていて、そのわき道のどん詰まりに、鏡の国のアリスのモニュメントと、ルイス・キャロルの石碑がひっそりと建っていました。その近くに妹と叔母の為に買い取ったチェスナッツ屋敷もある、住宅街があります。私が本で見たときは、門柱には記念プレートが掲げられ、無縁の人ではあったけれども、人は住んでいらっしゃった様子でした。しかし、実際に行った時には、空き家になっていて、門柱の記念プレートすら残っておらず、本の写真と建物とを見比べて、なんとかチェスナッツ屋敷とわかる程度でした。その屋敷の前の道を下ると、ギルフォード・ミュージアムがあり、ルイス・キャロルの遺品なども展示されているということでしたが、生憎休館日だった為、入ることはできませんでした。その後、お城の真向かいの丘を登り、共同墓地内にあるルイス・キャロルのお墓参りに行きました。丘のほぼ頂上に位置し、入り口近くの建物の脇にある真っ白な墓石に、赤い花がたくさん植えられていました。今もここでルイス・キャロル眠っています。赤い折り紙で鶴を折り、お供えしました。

今回の旅でルイス・キャロルの全ての関係地を巡る事はできませんでしたが、イギリスに行き、少しでも関係地に行けた事で、なぜこのような話が誕生したのかが少しではありますが、わかった気がしました。例えば、話の冒頭部でアリスがウサギが飛び出して来たことが珍しくなかったことは、イギリスに行ったからこそ理解できました。それくらい、野ウサギをよくみかけました。また、イギリスでルイス・キャロルの名前を出しても意外と知られていなかったり(書名の方は知られている)と、道を聞いたりする上で困ることもたくさんありました。けれども、主な関係地を巡れた経験を、これから書く修士論文で反映していきたいと考えています。

ギルフォードの丘の上にあるルイス・キャロルのお墓
ギルフォードの丘の上にあるルイス・キャロルのお墓

 
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