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京都ノートルダム女子大学人間文化学科・人間文化専攻共催

報告 - 公開講演会を終えて

 

「比較古都論」(町のなりたち、人の往来) 平成18年10月7日・21日

 

 

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第二回 講演1「城塞都市でなかった京都 −ヨーロッパ諸都市の歴史との比較に見る特異性−」
              教授 小川 光

2006年10月21日(土) 13:30〜16:00

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 ここ数年“Lord of the Rings”(指輪物語)や“ハリー・ポッター”などの映画で中世ヨーロッパまがいの建造物を目にする機会が少なくないが、以前、英国とスイスに居住した約12年間では、実生活においてよく整備・保存された、歴史的な古い町並みにたびたび感嘆したものである。わが京都の現状はこれと比ぶべくもなくまことに慙愧に堪えないが、それでも京の市中に、古都の歴史・文化の痕跡を今日なお見出すことがある。その一つが「御土居」である。この講座では、今夏滞在したスコットランドの歴史都市エディンバラと以前住んだチューリヒというヨーロッパの2都市をかつて取り囲んでいた城壁とその変遷を、歴史の一時期に京都を取り囲んだ城壁様の御土居と比較した。
  ただ、「比較古都論」という命題があり、それに則して論じるのだが、正直「比較」とはやっかいだなと思った。講演の最初でも述べたが、今日「比較」が冠せられる学問領域は相当数あるが、わけてもポピュラーな比較文学の定義は「2ヵ国または2つの文化の文学の比較において、相互の関連や影響の実証的な研究により、それぞれの特徴を明確にする」(広辞苑)である。「文学」のところに他の領域名を代入すると、たいていの「比較〜」の定義になるだろう。しかし拙論で扱うエディンバラやチューリヒの城壁と御土居は文化的関連は皆無なのだから、たとえ完璧な資料をもって互いの比較はしながらそれぞれの特徴を実証的に示せても、実質上は比較によらない実証性をもって論じたも同様のことになってしまう。拙論の場合は、「比較〜」の命題にある、比較する二者間の関連性があることを前提とした比較ではなく、単に学術一般における手段としての比較、すなわち二者を比較することでそれらの互いの共通点、相違点を(客観的に)明らかにすること、を結果的に目的として論じた。互いに文化的な脈絡の共通項が皆無でも、両者に一般にいわれる外見的な類似性を度外視してなお共通点が見出されるならば、「比較」ということの意義が成立する。拙論ではこの観点から、歴史事象の狭間に埋没している事実などを述べながら、エディンバラとチューリヒの城壁と京の御土居の比較を論じたのである。

 
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野田教授 小川教授 講演中の小川教授 講演中の服部教授
       
       
講演中の服部教授 講演中の服部教授    
 
 

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