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岡村敬二教授 「戦前期「外地」で活動した図書館員に関する総合的研究」

 
秋田県立図書館訪書 2009年10月26日(月)
 

出張初日、お昼前に秋田県立図書館に着いて、戦前期台湾の『台南市立台南図書館要覧 昭和9年版』などを閲覧した。これら台南市図書館の要覧のいくつかは、管見の限りでは当館にしか所蔵がない。今回の基盤Cの科研課題「戦前期外地で活動した図書館員に関する総合的研究」で、外地の図書館職員の事歴を調査するために一度みておきたかった資料である。

今年夏前に、これら外地図書館の沿革史や要覧の類のリストを作成し、その所在機関を調べ当館に複写を依頼したのだが、戦前の資料については原則として閲覧のみであること、その上で他館に所蔵のない3冊の『要覧』については、担当の情報サービス班スタッフがご親切にも目次を示され、必要最小限の複写については検討してみるとのご連絡をいただいていた。

そうしたこともあり今回、鹿角市毛馬内の内藤湖南の墓所・史蹟の巡覧、『月刊満洲』の幾冊かと外地図書館の要覧類も所蔵している岩手県立図書館の訪書を計画して、まず秋田県立図書館から、と考えたのであった。

図書館のカウンターで取り置いていただいていた資料を受け取り閲覧した。事前に照会していたことなのだが、デジタルカメラでの撮影であれば、当日の申し込みでも可能であるとのことで、当図書館に隣接する文書館の会議室で必要な部分を撮影させていただいた。これらの資料には何れも、台南市立図書館からの「寄贈の記」があり、この図書館が戦前期から活発に活動していたことがよく理解できる。

必要な資料の閲覧を終えて、当館の沿革史も見ておこうとおもい、『秋田県立図書館沿革誌 昭和5年』や『100年のあゆみ−秋田県立図書館創立100周年記念誌』を拝見した。前身の書籍館としての開館は明治13年で、開館当初の蔵書は和漢洋の図書合わせて976冊、来館者は533名であったという。

その後秋田師範学校内に移って学校附属となるが、15年に独立し秋田書籍館となる。しかしながらこの秋田書籍館も明治19年廃館となった。そして待望久しい県立図書館は、明治32(1899)年にようやく秋田県公園二ノ丸東南に開館したのであった。初代館長は秋田県立第一尋常中学校長武田安之助、翌年第二代館長に佐野友三郎が就いた。佐野は巡回文庫実施についての意見書を県に提出して巡回文庫を実施する。

佐野は明治36年に山口県立山口図書館へ転出となったが、その後も図書館は活動を展開し、明治42年には、平田篤胤の自筆資料を購入し、昭和4年には篤胤の孫にあたる盛胤から、篤胤著書の版木の寄贈を受けるなど、堅実に蔵書も充実させてきた。このように歴史ある図書館であることや、堅実な活動ぶりから、外地の図書館がその刊行物を配布する場合に配布先リストに加えられて、こうした資料の寄贈を受けたのであろう。寄贈資料が充実している図書館は、結果的に蔵書の幅も厚みも出て、図書館の実力を高めることとなるものだ、との印象を持ったことだった。

おしりも同じ2階の特別室で、「秋田県立図書館貴重資料展」が開催されていて、これも拝見した。『羽州久保田大絵図』などとともに、平田篤胤『霊能真柱』やその版木が展示されていて、その思いをいっそう深くした次第であった。

(2009/11/04記)

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