学長挨拶

令和2年度入学式 式辞                                   2020年4月2日


 

  新入生の皆さん、ご入学、おめでとうございます。京都ノートルダム女子大学教職員一同、皆さんを、新たなノートルダムファミリーとして、歓迎します。
 皆さんは、これから大学で自覚的に学ばれ、主体的に学生生活をおくられることになります。高校までのように、決められた時間割と校則に従って、全員がほぼ同様の生活を送るわけではなく、自分でつくった時間割にそって授業を受け、それ以外のクラブ活動やアルバイトなどの諸活動を自己管理しながら、毎日の生活を自分で組み立てていくことになります。学校外の生活圏も広がり、他大学の学生との交流、アルバイト先での経験など、多様な年齢、出身地の人たちと関わりを持つ機会が増えます。
 日本中に空前のラグビーブームを巻き起こした、昨年のラグビー ワールドカップは、皆さんの記憶にも新しいことと思います。開幕戦、ロシアとの試合で、ピッチに立つ桜のジャージーの半分が、外国人である日本チームに、少々違和感を感じた人は少なくなかったと思います。それが試合を重ねるごとに、彼らがワンチームとして戦っていく様を見て、外国人を含めた彼らをゆるぎない日本チームとして、誰もが認めるようになりました。出身や経歴が様々で、能力や持ち味も異なる人たちが「ワンチーム」に結集し、実績ある強豪チームに勝利していく姿に、「連帯」や共に働く「協働」のすばらしさを、私たちは改めて気づきました。違いを乗り越えて協力する場合の違いとは、単に生まれた国の違いだけでなく、同じ国に生まれても、都市と地方の違いや家庭環境の違い、その人自身の身体条件の違い、価値観の違いなど、あらゆる違いが存在し、多様な人たちが1つの国、1つの社会を創っていることは、少し想像力を働かせば誰もが気づくことだと言えます。
 皆さんはカトリック系女子大という、社会の中ではこじんまりと囲われた環境に身をおくわけですが、それでも今まで出会ったことのない、国や地方からやってきた同級生とことばを交わし、共に活動する機会も少なくないでしょう。様々な授業で大勢の個性豊かな先生と関わり、様々な部署の男性、女性の職員に相談したりと、性別や年齢の異なる大人と密接にかかわることになります。アルバイト先では、一足先に職業現場を垣間見て、多様な経験を積まれることでしょう。その際、大学内外には様々な経歴や身体条件、考え方をもった人がいることを認識し、その多様さを尊重することを心がけてください。しっかり自分の考えや意見をもったうえで、他の異なる考えや意見にも耳を傾け、尊重しつつ、ぶつけあって共に成長していけたら、こんなすばらしいことはありません。
本学ではこのような態度や行動の仕方を、ミッションコミットメントとして、学内外で共有しています。「尊ぶ」「対話する」「共感する」「行動する」。この4つの動詞を掲げたミッションコミットメントは、皆さんの生き方や生活を、豊かに有意義にしてくれる行動指針です。同時に、現在、世界が直面している新型コロナウィルスの問題に象徴される、世界全体にふりかかる災厄に立ち向かうためには、社会がひとつになって共に行動を起こす必要があることを、訴えるものです。このミッションコミットメントを、本学での学びの門出に皆さんにお贈りして、私からの入学のお祝いのメッセージといたします。



 2020年4月2日
 京都ノートルダム女子大学
 学長 中村 久美

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