学科NEWS・BLOG

上賀茂フィールドワークを実施しました

2025-05-22

国際日本文化学科1年次生必修科目「基礎演習」で、上賀茂フィールドワークを実施しました。

世の中には、実際現地に行ってみないとわからないこと、感じないことがたくさんあります。身体で感じたこと、現場で体験したことは、研究の基礎となり、直感的ヒントを与え、確実なデータとして残ります。

久しぶりに会った卒業生が「〇〇へ行って学んだことがとても楽しかった」「△△へ行った時の学習体験が今の職業の中でも活きている」などと言うことがよくあります。やはり座学だけでは習得できないものがあると考え、日本文化を学ぶ本学科では、学外での学習を重視しています。

4月に入学した1年次生全員参加して、元気よく和気あいあいと初夏の洛北を歩きました。5月15日と言えば、葵祭の日ですが、そちらはあえて見に行かず、今回は、上賀茂地域に伝わるやすらい祭の見学と、深泥池、大田神社のカキツバタ観賞が主目的でした。

この日、この時期でなければかなわない、とても見どころの多い校外授業でした。以下参加した学生たちの感想の一節です。 

このフィールドワークは、私にとって非常に貴重な体験となりました。京都の伝統文化や自然、そして日本の魅力に直接触れることができたからです。大田神社では、美しいカキツバタの花が咲く静かな空間が印象的でした。観光地として有名な大きな神社とは異なり、この神社の静けさには特別な魅力がありました。訪れる人々に安らぎを与え、歴史を感じさせてくれる落ち着いた雰囲気がとても好きになりました。やすらい祭では、地域に根付いた伝統文化を地域の人々が大切に守り続けている姿に感動しました。このような文化が今も受け継がれていることに、深い敬意を感じました。また、深泥池では、都市の中に残された貴重な自然環境を見ることができました。人間と自然が共存していくことの大切さや、生態系を守る必要性について、改めて考えさせられました。京都は、文化だけでなく自然の豊かさも感じられる、多様性に富んだ都市であることを実感しました。これからも、こうした体験型の授業がもっと増えることを願っています。        (グエン・ティ・レ・フォンさん、ベトナム・ハイフォン市出身)

今日のフィールドワークは、深泥池から始まり、大田神社ややすらい祭を見ることができて楽しかったです。深泥池は心霊スポットのイメージが強く、不気味な池だと思っていましたが、実際に見ると浮島があったり、氷河期からの動植物が生き続けていたりと歴史のある池だと知りました。また、大田神社で見たやすらい祭は、小・中学生の子が鬼役を演じたり楽器を演奏して町を練り歩く様子に感銘を受けました。昔からある祭、伝統を現代にも受け継ぐことがどれだけ大切なことなのか改めて考えさせられました。下鴨神社は毎年みたらい祭で行っていますが、機会があれば上賀茂神社にも参拝してみようと思いました。                              (中塚結愛さん、京都府立菟道高校出身)

まず深泥池は、想像していたよりも小さく、すこし驚きました。幽霊が出るというお話しか聞いたことがなく、氷河期の植物が見られて天然記念物に登録されているというのが非常に興味深かったです。やすらい祭りの巡行は、太鼓の音や声がとても荘厳で、仙台のお祭りでよく聴く音とはまた違った雰囲気がありました。せっかく花傘に入らせていただいたので、今年一年病気にかからないように気をつけます。大田神社のカキツバタがすべて野生のお花で古い和歌にも詠まれていたと聞き、桁が違って京都はすごいなぁと思いました。大田神社の目の前が、北大路魯山人の生家だったとは。わたしは葡萄の絵の透明感や色づかいが特に好きです。藤木社は、お社の屋根の苔がもののけ姫の森の中を想起させてとても素敵な雰囲気でした。そばに流れる明神川の水が澄んでいて、瀬織津姫命もいらっしゃいそうだなと思いました。今度改めてお参りします。上賀茂社家はそれまでの通りと雰囲気が一変して、平安時代の街並みを見ている気分でした。思った以上に上賀茂神社が近かったので、今度歩いて参拝してこようと思います。とても楽しいフィールドワークで、想像していた京都らしさを感じることができました。次回のフィールドワークも楽しみにしています。                    
                                     (野村雪乃さん、東北学院高校出身)