日本心理学会(@東北学院大学)に学部生も参加しました!
9月5日~7日、仙台市の東北学院大学五橋キャンパスにて、日本心理学会第89回大会が開催されました。ちょうど同時期に神戸で日本心理臨床学会が開催されていたこともあり、本学からの参加は少ないのではないかと思っていましたが、心理学科3年生の学生2名(MさんとTさん)が大会に参加していました。
Mさんは1年次より日本心理学会に毎年参加しておられ、今回が3回目となるそうです。またTさんは今回、Mさんに誘われて学会初参加とのことです。学部生の学生さんにも積極的に学会に参加して頂きたく、日本心理学会に参加されたお二人に日本心理学会がどのような様子だったのか聞いてみました。
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Mさん(3年生)
先日私は、入学以来毎年参加している日本心理学会に、今年も参加してきました。この学会の雰囲気を身近なもので例えるなら、京都ノートルダム女子大学で毎年行われる「心理学科の“卒業研究発表会”をとてつもなく大規模にしたもの」といえるでしょう。
学会という言葉を聞くと、「名だたる先生方ばかりが集まり、厳かな雰囲気の中で行われる場」だとか、「学部生が参加するような場所ではないのでは?」と思うかもしれません。しかし、実際のところは、日本心理学会は非常に多くの人に開かれたイベントです。
最初は緊張するかもしれませんが、先生方と話す際に「学生であること」を伝えると、むしろ温かく迎えてくださる方が多く、アットホームな雰囲気を感じることができます。研究者であっても、自分の専門外のことについては知識が限られていることがあるため、「知らないことを恥じず、学び続けることを大切にする」という価値観を持った人々が集まっているのです。
学会は毎年、3日間にわたって開催され、プログラムの進行は大学の授業に似ています。ただし、ずっと同じ会場にいるわけではなく、興味のある発表の時間になると、自由に会場を移動して聴講することができます。これは大学での履修登録に似ていて、自分の関心に沿った学びを広げることができる機会です。
私は今年、ポスター発表やいくつかのシンポジウムに参加しました。初めてグループワーク形式のシンポジウムにも足を運び、普段はなかなか出会えない先生方や実務に携わる方々と直接お話しすることができました。この経験は、これまでの学会参加の中で最も充実した3日間だったと感じています。
心理学は非常に広範で学際的な学問であり、一言で括ることは難しいです。日本心理学会は、日本で最大規模の学会であり、研究内容も多岐にわたります。最先端の研究を知るだけでなく、自分が興味を持っている分野が、思いがけない領域と関わっていることに気づくこともあります。その中で、これまで関心が薄かった分野に対しても学ぶ意義を再認識することができました。
さらに、今年は「心理学を専攻する学生のキャリア」をテーマにしたシンポジウムがあり、心理士が意外な分野で活躍している事例を学ぶことができました。こうした知識や出会いは、日本心理学会に参加しなければ得られなかった貴重なものだと強く感じ、学会を後にしました。
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Tさん(3年生)
私は今年初めて心理学会に参加しました。心理学会に参加するまでは、ひたすら研究について聞くという堅苦しいイメージを持っていました。実際は、学生も多く、自分が気になる研究発表を聞きに行くというシステムでした。学校では習わない分野にも触れることができ、自身の学びに繋がりました。私が卒業研究で取り組みたいと考えている分野についても、今回の学会の中で話を聞くことができ、卒業研究についても考える機会になりました。
実際、その分野を長年研究している人達からのお話を直接聞くことは、すごく刺激にもなり、学会に参加しなければ経験できないことだと思います。参加する前は、緊張や、自分が参加していいのかという戸惑いがありましたが、様々な分野についての話を聞くことができる楽しさや、より学びたいと学習意欲の向上に繋がるため、今後も参加したいと思います。
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お二人の感想からはとても実りの多い、今後の学びにつながる3日間を過ごした様子がよく伝わってきますね。
Mさんは3回目の参加になりますが、今回が最も充実した学会だったということで、卒業研究も視野に入ってきた今だからこそ、これまで以上に学会での様々な情報や参加者とのやり取りが自身の学びにつながるという実感があったのではないかと想像しています。
また、初参加のTさんもより学びたいという意欲につながったと報告してくれました。会場でお二人とお話しし、「発表者と意見交換することが出来た」と笑顔で報告してくれたことが印象的でした。次は彼女達が学会発表してくれることを楽しみにしたいと思います。
今後も是非学部生が学会に参加し、心理学の知識を深め、多様な参加者とのつながりを持ってくれればと期待しています。
東北学院大学キャンパスにて
報告者:松島るみ