学科NEWS・BLOG

本学修了生が日本心理臨床学会第45回大会にてポスター発表をしました

2026-09-29
研究

 2026年8月28~30日に神奈川県横浜市にあるパシフィコ横浜にて行われた日本心理臨床学会第45回大会において、修了生である安部すずさん(現在、本学大学院研究生として在籍)がポスター発表を行いました。

 

会場入り口の看板。今年は隣接した会場でヨコハマ恐竜展も行われており、

多くの恐竜グッズで身を固め楽しそうにしている親子連れもたくさん見受けられました。

 

 安部さんは本学修了後、医療現場の心理職として働きながら研究生として修士論文の内容のブラッシュアップを続けていました。日本心理臨床学会は臨床心理学を扱う学術団体の中でも最大規模の会員数を有する学会であり、多くの先生方や臨床家と意見を交わすべく、今回の発表を決意しました。

 発表タイトルは「自立支援アパート利用者が獲得するつながり体験」です。内容としては自立支援アパートの利用者の方々へインタビューを行い、そのデータを分析することで利用者の方々が入居前から現在にいたるまで、どのようなつながりを獲得し、そしてそれらがどのような影響を与えていくのかを考察したものです。

 発表日は大会最終日の最終時間ではありましたが、多くの会員が足を止め、安部さんのポスターを眺めていました(指導教員の知人の心理師さんも来てくれた、とのこと)。在席時間中には、直接多くの会員とディスカッションを行うことができました。

※守秘義務等の観点から会場内の撮影は禁止されているため、発表前後の会場外の写真を以下に掲載します。

 

発表の1時間前に会場前のフリースペースにて最後の準備をしています。

大学院時代に同じゼミの同級生だった修了生のAさんが応援に駆けつけました

発表修了後、撤収などのお手伝いをしてくれた大学院時代の同じゼミの後輩Bさん(左)と記念に。

Bさんも事例発表を聞きに行き、その場で質問をすることができた、と満足して帰途につきました。

 

 以下、発表を終えた安部さんの感想です。

――――――――――――――――――――――――――――――――

 今回、私は修士論文で研究した内容をもとに発表を行いました。大学院生の時、指導教員をしてくださった武藤先生に学会発表の相談させていただきました。ポスター作成のために時間を割いていただけたため、修士論文の時には出なかった別の考察も出てきました。研究を振り返りより深く考える機会になったように感じます。

 初めての学会発表だったのでとても緊張しましたが、同期や後輩も応援に来てくださり、落ち着いた気持ちで発表できました。質問にも的確に返答できるか心配していましたが、足を止めてくださった先生方も優しく声を掛けてくださり、汲み取ろうと耳を傾けてくださったように思います。発表の対象は高齢者福祉の内容でしたが、子ども福祉など別の領域の先生方もポスターを見に来てくださり、感想もいただけたため、とても勉強になりました。

 発表することがとてもハードルが高いと感じていましたが、2月末に抄録の原稿を提出した後はさらっと発表日時が公開され、大会開催まで来てしまいました。ポスター発表するためのステップは自分が発表に対して感じるハードルと比べてあっさりとしており、拍子抜けしてしまいました。抄録の内容とポスターの内容で大きな変更できないため、抄録からもう少し練っていればよかったと感じることがありました。ポスター作成では、武藤先生にアドバイスをいただき、ポスターの構成を工夫して関心を引けるようにこだわったため、今回何名かの先生方に足を止めていただけてとても嬉しく感じられました。

 また、会場内には面白そうな発表がたくさんあり、他の先生方が研究に対して熱量をもって発表されている様子を見て、自分の研究をブラッシュアップしていきたいと刺激を受けました。

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 今回、安部さんは住田奨学金(※詳細は本記事末尾に記載)を基にした学会発表/参加を援助する制度を利用し、安心して発表に臨むことができました。そして、同じ制度を利用してM2の院生さんたちも数多く参加し、多くの刺激を受け充実した時間を過ごすことができました。

 さらには過年度の修了生さんたちも多く参加していたため、せっかくの機会なので発表前日の夜には計13名で集まり食事の機会を設けました。現役の院生さん・修了生さんたちで世代を超えた交流をし(修了生同士は近況報告も兼ねて)、京都ノートルダム女子大学の絆を確かめることもできました。

 せっかくなので、写真にも写っている応援にかけつけてくれたAさん、Bさんにも感想をうかがいました。

――――――――――――――――――――――――――――――――

(Aさん)

 現場で働くようになり、初めて参加する学会でした。院生の頃にも参加はしていましたが、現場で経験してから他の方の発表を聞くと新たな発見がありました。自分だったらどう対応するだろうなと考えたり、内省をするいい機会になりました。

 また同期が発表していましたが、同じく頑張っている仲間を見ると励まされ現場でも頑張ろうと思えました。

 

(Bさん)

 今回で3回目となる学会参加となり、少しずつ学会でどのように過ごしたらいいのかがわかってきた気がしました。今まで私は学会の中でポスター発表に多く行っていたのですが、同じく学会に参加している友人から事例発表も面白いと言うのを聞いていたので、今回は事例発表を多めに聞かせて頂くことにしました。事例発表では、今までに触れてきたことのない事例に関してお話を聞くことができ、その中で自分のケースを振り返ったり、発表してくださっている先生の臨床の姿勢から学ぶことができとても良い時間を過ごすことができたように思います。最終日にお聞きした事例発表では、初めて手を挙げて発表者の先生に質問と感想を伝えることができました。とても緊張し、若輩者の私が話してもいいのかと思いましたが、温かく私の感想を聞いて下さり、質問に答えてくださる先生を見て、勇気を出してよかったなと思えました。

 今回は先輩がポスター発表をされていたので、その時間はポスター発表を見に行きました。最初に先輩の元に行き質問やお話をさせていただいたあと、何度か先輩の姿を覗いていたのですが、いつもほかの先生方がポスターを見にこられていて、大学院でお世話になった先輩が学会の中でポスター発表をされている姿はとても素敵に思いました。先輩の素敵な姿を見て私もいつか発表してみたいなぁと思った今回の学会参加でした。

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 同じく口頭発表で参加していた私(武藤講師)も学会という特別な時間での院生さん・修了生さんたちが活き活きと会場を行き来し、多くの研究者・臨床家の先生たちから多くのことを吸収している姿を目の当たりにでき、彼らの明るい将来を垣間見ることができ、教員として臨床家として晴れやかな気持ちになりました。

 京都ノートルダム女子大学では引き続き、現役の学生・修了生の学びを応援していきます。

 

 

【住田奨学金について】

 本学名誉教授の 故 住田幸次郎先生が本学のためにお寄せくださった遺贈金を原資とする「ND学生学修活動等支援制度」の一環で学会発表/参加の援助を行っています。

 住田先生は、1966年から2002年の長きにわたり、本学での心理学教育に心血を注がれ、本学が初めて心理学科を立ち上げたときの中核となった先生でもあります。

 学生の皆さんには、住田先生のご遺志を受けて、ぜひ心理学の学びを深め、チャレンジし、自信を得て、将来の進路選択の視野を広げられることを期待します。

 

報告:武藤翔太