「自然と遊ぼう!」in ノートルダム ―こどもも大人も大集合!の巻― 最終回 開催報告
2025年10月11日(土)の午後、本学ユージニア館3階にて「自然と遊ぼう!」を開催しました。3連休の初日だったこともあり、近隣では運動会を開催する施設も多く「参加できなくて残念」というお声もいただいたのですが、当日は15家族46名(子ども20名、親26名)が参加、ボランティア学生、教職員(卒業生や元スタッフの他大学教員の駆けつけ協力もあり)の26名も合わせた総勢72名で、楽しいひと時を過ごすことができました。参加者の中には、2006年の第1回目に来てくれていた男の子が、お父さんとして家族で参加してくださったり、第1回目に学生ボランティアであった卒業生が、現在勤めている子ども支援の現場の同僚を誘って参加くださるなど嬉しい再会がありました。
今回は、これまでの開催回で子どもたちが熱中し、楽しみ、好評だった遊びを選び「五感」をキーワードにした遊びを、子どもたちだけでなく大人も童心に返って遊ぼう!と企画しました。
例えば、「見る」遊びでは、心理学の「錯視」の現象を体験してもらうコーナーや小さな世界をのぞいてみる「ファーブル顕微鏡」を使った観察、「偏光万華鏡」づくり、蛍光クレヨンで描いた自分の絵を暗室に入って「ブラックライト」で照らし出してみるという遊びをしました。
  
   
  
錯視体験 ブラックライトおえかき ファーブル顕微鏡
ファーブル顕微鏡での観察は、これまで屋内外の活動で毎回行ってきました。今回は、8つの自然の素材を観察してみて一番好きなものに投票する「好きなものコンテスト」を行いました。コンテストの結果、一番人気は玉虫でした。これは10年以上前に拾われたものですが、美しさはおそらく生きていた時から変化していないのでしょう。歴史的には法隆寺の玉虫の厨子が有名ですが、自然のなかの美を愛する心は昔も今も変わらないようです。
「きく」では、音遊びとして親子で糸電話を介してお話をしたり、コップの上でヘビに見立てたモールを声で動かす遊びをしました。ヘビを動かすために声のトーンや大きさの調整がいるのですが、顔を真っ赤にして熱中するお子さんにつられて、周りの子どもも大人もゲラゲラ笑いながら楽しむ姿が素敵な光景でした。
 
 
糸電話でお話「おとーさーん!」
   
  
モールのへびを動かしては、笑いの渦
また小さな子どもさんが親子でゆっくりできる、絵本コーナーでは絵本に触ったり、読み聞かせをしてもらったりして遊びました。
「匂う」では「においコンテスト」を行いました。過去に一度、匂いをテーマにして人工物やスパイスなど様々なにおいを体験する回があったのですが、今回は7種類の葉っぱの匂いを比べて一番好きな匂いを選んでもらいました。一番人気は、夏ミカンの葉っぱで、こすると夏ミカンの実のようないい香りがしました。近郊の川原で摘んできたアップルミントに青虫のおまけつきで、子どもたちも喜んでみていました。
 
においコンテスト
「触る」は、全ての活動に通じる感覚ですが、特に子どもたちに人気の繭玉転がしは、本物の繭の感触や起き上がりこぼしのような動きの面白さがたまらなく、何度でも転がしてみたくなる「はまる」遊びでした。また、屋外で拾って来た、ただの「まつぼっくり」も遊び道具になると、どうやって高く積めるか試行錯誤しながら、ついつい熱中する奥深さを秘めており、積みあがったときの美しさも自然ならではの素材だからこそと思いました。
 
   
  
まゆ玉ころころ まつぼっくりタワー
五感の中の味覚そのものをテーマにした遊びはできませんでしたが、一つ一つの遊びを味わいながらゆっくり楽しむ時間が過ごせたのではないかと感じています。ボランティア学生の感想には、子どもの発想の自由さ、シールの貼り方ひとつにも個性が現れること、子どもの持つ力(原動力)の強さに触れ驚いたとありました。また、親御さんの感想にも子どもさんが帰宅後「楽しかった!」という姿を報告してくださったり、子どもたちの生き生きした姿を見られたことがよかった、とあり私たちスタッフもとても嬉しく思いました。
 
 
20年のあゆみ 写真展示
最後になりましたが、本イベントについて振り返りを少しだけ書き記しておきたいと思います。
「自然と遊ぼう!」は2006年11月19日に第1回目を開催し、20年目の今年度は29回目(雨天中止4回含む)を刻む回となりました。そして、在学生1年生から4年生、さらには大学院生までのボランティアが揃う最後の年度ということで、今回を最終回とさせていただくことになりました。
今回の参加者アンケートにも、「昔ながらの遊びや自然を感じる体験をする機会はなかなかないので、娘にとってもいい機会となりました。これまでの活動、本当にお疲れ様でした」「参加する身としてはこんな良いイベントが終わってしまうのは残念です。時間をかけて準備してくださったことに感謝しています」「学生さんがとても優しく、素敵でした」「大学と地域が育んできた、京都ノートルダム女子大学らしい活動だと感じました。」などありがたい労いの言葉をいただいたことはスタッフの私たちにちっては嬉しく、そして寂しくも感じています。
これまでご参加いただいたご家族は850家族、2412名(雨天回の参加予定者を含むと1063家族、3045名)となり、本当にたくさんのご家族と素晴らしい時間を過ごさせていただいたという感慨があります。また、本学内のほか、京都府立植物園、京都御苑母と子の森、宝ヶ池公園(子どもの楽園、いこいの森、桜の森)でも開催させていただき、関係各所の皆様には大変お世話になりました。
ここでの出会いや体験して感じたことは、学生や私たち教職員にとって宝物のような経験と記憶になりました。そして参加してくださった子どもさんやご家族にとっては、ささやかな楽しかった記憶となれば嬉しく思います。これまで、たくさんの方に支えていただきましたことに感謝し、ここに御礼申し上げます。
報告:高井直美、薦田未央