日本教育心理学会第67回大会(@浜松)に参加しました 大学院M1生も学会初参加!
以前の記事で夏休み期間中の学部生の学会参加(こちら)と教員の学会発表(vol.1・vol.2・vol.3)を紹介させていただきました。
今回は後期が始まった後のお話。2025年10月11日~13日にアクトシティ浜松で開催された日本教育心理学会に心理学科教授の松島先生と尾崎先生がポスター発表で参加されました。
その様子と、そして大学院M1生の学会初参加の感想をご報告します。

会場のアクトシティ浜松
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【ポスター発表タイトル】
学びは「講義を受ける」だけで良い?
—教員・学生との関わりと学習エンゲージメントに関する調査—
学生の皆さんは普段どのように学んでいますか?「講義」を受けていれば良い、学びは一人でも進められる、生成AIがなんでも教えてくれる、という考えもあると思いますが、「学生と教員の対話」や「学生(学習者)同士の対話」も学びを支える大切な要素の一つです。
今回、私たちは大学生549名を対象に、授業や学習の場で「先生や他の学生に自分から働きかけること」が「学び」や「成長」にどのような影響を与えるのかを調査しました。
その結果、先生に質問、相談する学生ほど、授業内容の理解が深まっているだけではなく、信頼関係の形成や教員との距離の近さにつながり、そのことが学習意欲の上昇に影響していることが自由記述結果から明らかになりました。
さらに、他の学生に質問・意見交換・協力などの働きかけを行った学生ほど、理解の促進や意欲の向上に加え、視野の拡大や人間関係の構築、自身の成長を感じる傾向があることが明らかになりました。
一方、働きかけを行わない学生の中には、「自分で解決したい」「迷惑になるのではと思う」「声をかけるのに心理的な抵抗がある」といった理由も挙げられ、学生が安心して他者と関われる学習環境や質問しやすい授業設計の重要性が示唆されました。
今回の研究からは、大学での学びが「一人で取り組むこと」だけではなく、「人との関わりや対話の経験」を通じて、理解が深まり、視野が広がっていくことが示唆され、このような「学習環境における良循環」を大学で作っていくことの重要性を改めて考えています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
また、本学会には本学大学院心理学研究科のM1生(2名)が参加しました。
2人は初日の最初のプログラムから3日目の最後のプログラムまで熱心に参加し、ポスター発表でも様々な学生、研究者と活発にやりとりしていました。2人に感想を聞いてみました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Kさん
今回初めて学会に参加しました。学会=研究を発表する場で堅いイメージがあったため、少し緊張しながら参加しました。実際に参加してみると、自分の興味・関心のある研究発表を聞き、意見交流ができる自由で活気があふれる場でした。私は、教育心理学に最も関心があるため、自分の興味のある分野のさまざまな研究を聞き交流することができ、非常に実りのある三日間になりました。来年は私も研究発表ができるように頑張ります。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Aさん
今回初めて学会に参加して、様々な研究のポスター発表やシンポジウムに参加し、とても楽しかったです。特に、ポスター発表では、自身が行おうとしている研究内容と類似したものを今まさに今研究している方がおられ、大変興味深く、また、名刺交換もさせて頂きました。これからの関係作りもでき、今後の力になる経験となりました!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
参加した院生は、学会の会場は思っていた雰囲気よりもとても楽しく、参加してみてハードルが下がったので、次の大会では必ず発表してみたい、といきいき話してくれました。今後、学生たちの発表をこのブログでも発信していければと思います。
報告者:松島るみ・尾崎仁美