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日本発達心理学会第37回大会(@福岡)で修士論文の成果を発表しました!

2026-03-26
研究

 2026年3月3日(火)~3月5日(木)に福岡国際会議場で、日本発達心理学会第37大会が開催されました。そこで、本学大学院心理学研究科臨床心理学専攻の修了生で、現在心理学研究科の研究生である山本紗規子さんが、ポスターで修士論文の成果を発表しました。

 山本さんの発表は、大会初日の最初の時間帯9時半~11時半でした。会場は、韓国釜山行きの船も停泊している波止場のすぐ側、晴れていたら素晴らしい海の眺望が開ける立地にありましたが、3日はあいにく風雨の荒天でした。山本さんは連名発表者である心理学研究科の高井直美特任教授と一緒に、ポスターの掲示を行いました。

高井直美特任教授(左)と発表者の山本紗規子さん(右)

 以下発表者、連名発表者と、初日の朝の発表に間に合うように駆けつけてくれた後輩大学院生からのコメントです。

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<山本さん(発表者)>

 今回の学会で、私は大学院在学時に修士論文作成のために、就学前のお子さんを対象に、絵カードを用いて実施させていただいた研究を高井先生との連名で発表させていただきました。内容としては、同世代のお子さん同士が日常生活(特に遊んでいる中)で起こすようなトラブル場面に焦点を当て、相手の気持ちへの理解を促す言葉掛けを大人がすることで、どのように一人ひとりの行動が変化したり、気持ちをコントロールすることができるようになるか、を見ていくものでした。当日のポスターでの発表は、初めての経験でとても緊張していましたが、立ち寄ってくださった先生方や学生の方々からいただいたコメントの中で、私が考えてなかったようなことにも結果や考察から着目してくださり、私自身の中でも新たな発見や学びの時となりました。

 私は現在、研究生傍ら、福祉施設で主に新版K式発達検査2020を来所されたお子さんたちにさせていただいています。今回の学会での学びを、実践での活動に還元できるように今後も励みたいと思います。このような機会を与えてくださったことは、私の中での貴重な経験や学びの財産となりました。ご指導いただいた先生方、ご意見を下さった学生の方々にはとても感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

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<高井先生(連名発表者)>

 山本さんの発表は、4、5歳の幼児に対して山本さん自身が考案した実験課題の実施結果をまとめたものでした。掲示したポスターには、実験方法の図を示し、分かりやすく解説していたこともあり、多くの来訪者の注目を引いていました。山本さんの発表を聞きに来られた方は、長年研究や発達支援の実践を続けておられるベテランの方々から、東京や大阪の大学の学生さんまで、幅広い世代や地域の方がおられ、皆さん山本さんの説明に熱心に耳を傾けておられました。山本さんが自分で用意した手書きの「名刺」に感激しておられた方もいました。

 発達心理学の分野では、ある刺激条件の下で様々な年齢や個性の子どもがどのような反応を行うのかを調べることで、発達の筋道を理解しようとする研究がなされます。山本さんの研究でも子どもの実験への反応の姿から、子どもが他者の気持ちを理解するようになるプロセスを知る手掛かりが得られました。今回の研究成果を多くの来訪者の方と共有できたことはとても良かったと思いました。

山本さんには、今後も今回の発表の成果を生かした活動を続けてほしいと願っています。

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<大学院生 Aさん>

 今回、発達心理学会に初めて参加させていただきました。先輩の研究では、手作りのボードを使用していることに驚きました。かわいい絵と子どものインタビューの難しさも研究から伝わってきました。いろいろな研究をしている方にお会いすることができ、自身の研究についてのアドバイスをいただいたり、研究についての話を詳しく聞いたりなど普段体験できないことが経験できました。

発表者の山本さんとAさん。間に合ってよかった…。

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 現場に出てから、あらためて修士論文を見直すと多くの気づきを得ることがあります。臨床心理学の論文ならでは、と言ってもいいかもしれません。そして、その気づきをこうして学会発表という形で還元することは発表者だけでなく、参加されている臨床家の先生方、さらには後輩たちに新たなアイデアを与えるきっかけとなります。

 それらは最終的には臨床の現場で相談に来られる人たちを支えることにつながります。

 山本さんのこの発表が臨床現場に活かされていくこと、後輩たちの成長につながっていくことを教員一同願っています。発表、おつかれさまでした。

 

報告:山本紗規子、Aさん、高井直美