Language & Communication

理論言語学
田口研究室

1950年代にNoam Chomskyによって提唱された生成統語論は、理論的な発展・変遷とともに細かな修正・改変を経てきました。中でも1990年以降に展開されたミニマリスト・プログラムおよびカートグラフィー理論を基に、文法における「格」というものがどのような働きを持っているかについて研究しています。格は、単に主語、目的語といった文法関係を表すだけでなく、話者の気持ちを表すことがあります。例えば、英語のwhyに似た理由疑問表現であるwhat forでは、前置詞のforが目的格を与えているだけでなく、非難や意外性などの気持ちを表します。また、日本語でも「なぜ」の代わりに「なにを」のような理由疑問表現が使われますが、これにも同じような性質があることが分かっています。これらが使われる文法上、談話上の環境や決まりを解明するのが現在の目標です。

2年間のゼミの流れ

2回生のプレゼミで生成統語論の理論的変遷と基本事項を確認したあと、3回生ではミニマリスト・プログラムとカートグラフィー理論に基づく著書・論文を講読します。それらの先行研究の内容及び自身の卒業研究のテーマについて口頭発表を行い、理解を深めると同時に卒業論文のアウトラインを作成します。4回生の卒業研究では卒業論文個別指導を中心に行います。

教員紹介

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