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学校の危機管理

2025-02-27
避難所へ避難の様子

 6434人が亡くなられた阪神・淡路大震災の発生から令和7年1月17日で、ちょうど30年です。被害を受けられた地域では犠牲者を追悼する行事が行われました。兵庫県内の学校で被災体験を語り継ぐ会や防災訓練などが行われ、震災の記憶を次の世代に伝えるための取り組みがなされていました。発生から30年が経過し、震災の経験者や遺族の方々が減少する中、過去の教訓をこれからの防災や減災にどうつなげていくのかが大きな課題です。

 ところで、30年前の震災当日、私は、震度5の地震を京都市内の自宅で体験し、飛び起きた記憶を今でも覚えています。当時勤めていた京都市内の学校には、被災関係者が一時避難ということで複数来られていました。その中に神戸市内から避難されてきた親子連れがいました。被災されて一週間近く経っていたのですが、母親は顔面蒼白で、こどもの手はずっと震えが止まりませんでした。その様子からテレビで見る以上にどれほど大変な災害が生じていたのかを想像することができました。今でもその光景を忘れることはできません。

給水車での給水

 さて、令和6年度の後期より教育経営論の授業をもっています。ちょうど1月17日が「学校の危機管理に関する」内容だったので、阪神・淡路大震災の内容にも触れました。また、東日本大震災における避難対応での正常性バイアスなどの心理的な側面のリスク要因なども取り上げました。当日は、過去に発生した学校における事件・事故の例をもとに事故発生時の対応(クライシスマネジメント)に関する話し合いも持ちました。学生にとっては、自分が生まれるより10年近くも前の出来事ですが、自分の問題として熱心に考えてくれました。

 こどもの命はもちろんのこと、地域の生命安全を預かる学校の役割はとても重要です。教師を目指す皆さんには、常に危機管理意識と正しい知識・技能を身につけ、冷静な対応ができる能力と判断力を養ってくれることを願っています。

担当:河佐 英俊