学科NEWS・BLOG

UDの視点で小学校の授業を見てみた

2025-01-28

 こども教育学科で特別支援教育の科目を担当している太田です。先日、数年前から関わっている小学校に伺い、授業参観をする機会がありました。これまでも小学校の校長先生方には、特別支援教育の必要なこどもだけでなく、全てのこどもにとって分かりやすく、出来た!もっとやりたい!と思えるユニバーサルデザイン(Universal Design : UD)の視点から教育を行う必要性を説いてきました。
 そこで、気づいたことをいくつか紹介したいと思います。
〇教室前方は最低限の掲示物になった!

 以前この小学校の教室のほとんどは、黒板の上や横に掲示物があふれていました。これらの掲示物は授業中にこどもたちが常時目にする前方に常時掲示する必要があるでしょうか?例えば、時間割や給食当番表、“みんな笑顔の〇組!”などの学級目標などです。
 皆さんは、目に入る様々な情報に気が散った経験はありませんか?例えば、学級目標は教室後方の掲示板でもいいですし、時間割や給食当番表は休み時間など必要な時に見られればいいですよね。不要な時間は掲示を隠すための無地のカーテンを設置している教室が増えてきました。
〇先生からの指示等は音声情報と文字情報で!

 みなさんは「先生は大事な話をします。一回しか言わないので、よく聞きなさい!」という先生の言葉を聞いたことがありませんか?全校集会や大勢が集まる体育館などで私は何度もあります。教室での人数よりも大人数になるので、全員が雑談するとすごい騒音になりますよね。幸いなことに私は聴覚からの音声情報をその都度理解することができますので困りませんでした。しかし、聴力に問題はなくても、音声からの情報だけだと理解できることが限られているこどもが一定数の割合で教室にいることがわかっています。そこで、いくつかの教室で、“教科書14ページを開く”と板書をしたうえで、同じことを音声で指示している様子を拝見しました。また、教室設置の大型ディスプレイにデジタル教科書を提示し、音読を聞く際にも画面からの文字情報と音声情報を併用している場面も見かけました。

 今回のブログでは、UDな授業の例を2つ紹介しましたが、もっともっと全てのこどもに分かりやすい授業がしたいというUDな授業の取組がありました。また、続きはオープンキャンパスや入学後の特別支援教育の授業で紹介したいと思います。皆さんと教室で会えるのを楽しみにしています。


担当:太田容次