「教職実践演習」という科目
幼稚園、小学校、特別支援学校の教員を目指す4回生にとって、教職に関する学びの集大成として「教職実践演習」という科目があります。

地域の小学校の先生方を講師に招いての授業では、学校現場の「今」の話を伺いました。テーマは「対話」です。
教育の世界では現在、「主体的・対話的で深い学びの実現」が求められています。教師から児童への一方向の「教える授業」ではなく、教師と児童、児童と児童が相互に対話しながら能動的に学習を進めることが求められています。授業の目標や内容に合わせて、グループで話し合ったり、ペアで意見を交換したりする場面も積極的に取り入れられています。そして、対話の相手には、自分自身も含まれます。

4・5人のグループの真ん中に「愛」「つながり」「信頼」「自由」などのニーズ(願い・価値)の書かれたカードと、「やさしい」「あこがれる」「むかつく」など、感情を表すカードを並べ、一人ずつ「最近、心が動いた出来事」を話します。周りの人は話し手の「大切にしたかったこと」を推測し、それに合うカードを選び、思ったことを伝えます。話し手自身もカードを選ぶことで、自分の思いや願いと向き合い、聞いてもらえたことで、少しずつ自分の気持ちを言葉で表現できるこどもが増えてきているとのことでした。

今回の授業では、学校生活の様々な場面での対話が充実したものになるための取組をご紹介いただいた後、「ニーズカード」を使っての演習を行いました。これは相手が何を考え、胸の奥で何を大切にしているか、考えようとするものです。
ニーズカードはインターネットを通して入手することもできます。興味のある方は、試してみてください。自分の胸の奥で大事にしていることが分かるかもしれません。
担当:藤本 陽三