ことばの研究会


 
 平成23年12月16日(金) 17:00〜18:10
 「写真と言葉―視覚イメージへの記号学的アプローチ」
  発表者:本学人間文化学部英語英文学科 講師 山本裕子先生

  学長統括プロジェクト主催、平成23年度第1回「ことばの研究会」が平成23年12月16日(金)、本学マリア館ガイスラーホールにおいて本学人間文化学部英語英文学科教員 山本裕子講師より「写真と言葉 ―視覚イメージへの記号学的アプローチ」というテーマで研究発表が行われました。研究会には、約20名の教職員、1名の学部生が参加し、研究の発表の後、活発に意見交換が行われました。
 研究発表の概要は以下のとおりです。時に写真は言葉よりも雄弁である。それは、たとえば報道写真の場合に顕著になるだろう。ドロシア・ラングの「移住労働者の母」、ケビン・カーターの「ハゲワシと少女」、あるいはロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」。文化的アイコンとして人々の記憶に刻まれたこれらの視覚イメージは、文化的記憶となり実際の記憶を書き換える。写真がそれほどまでに強烈なメッセージを発するとするならば、見る者はいかにそのコードを読み解いているのか。写真の(レ)トリックとは何か。フランスの批評家ロラン・バルトを手掛かりに、写真の言語化についてフロアとの意見交換ができればと思う。


 
   平成23年1月13日(木) 16:40〜17:45
   「シグナリング―コミュニケーションの原始的形態:ゲーム理論的アプローチ」
    発表者:本学学長 藪内 稔教授
    

 学長統括プロジェクト主催、第5回「ことばの研究会」が平成23年1月13日(木)、本学ユージニア館第2会議室において開催され、本学心理学部教授でもある藪内稔学長より「シグナリング―コミュニケーションの原始的形態:ゲーム理論的アプローチ」というテーマで研究発表が行われました。
 今回の研究発表は、ゲーム理論的コミュニケーション研究を、相互行為者の発話意図、言語慣習、コミュニケーション展開過程に焦点を置いたもので、コミュニケーションの原始的形態である「シグナル行動」について、ゲーム理論的に理論化するアプローチを原点として考察が行われたものです。「ゲーム理論」は、相互作用状況下で観察される意志決定者行動の諸現象を理解するための有用な数学的理論で、人は整合的な目標を追及する合理的存在であって、他者の行動についての知識や予測を考慮の上で方策や自己の行動を決定するということを前提としています。
 藪内学長は、言語慣習の研究にゲーム理論的視点と分析手法を導入した哲学者David K. Lewisの「シグナリングゲーム」というゲーム理論を紹介し、シグナリングゲームが「状態」と「行為」との調整課題に基づくものであり、2つの状態の世界とそれに対応する2つの行為からなる利得構造をもつ「状態・行為調整課題」とよばれるものであることについて説明を行いました。
 当日は、約20名の教職員と学生が出席し、研究発表の後も熱心な質疑応答が行われました。

 

 
   平成22年12月9日(木) 16:45〜18:00
   発表:「チョムスキーの魂胆」
    発表者:本学人間文化学部教授  新井 康友 先生
  

 
 学長統括プロジェクト主催、第4回「ことばの研究会」が平成22年12月9日(木)、本学ユージニア館第2会議室において開催されました。本学人間文化学部英語英文学科の新井康友教授より「チョムスキーの魂胆」というテーマで研究発表が行われました。 当日は本学教員と院生12名が参加し、熱心に耳を傾けていました。
新井教授の話題提供の概要を以下の通り紹介します。

「1955年に始まった生成文法は、ノーム・チョムスキー(MIT)教授によって今でもリードされている。チョムスキー教授はそれまでのアメリカ構造主義言語学による句構造文法(Phrase Structure Grammar)に対し、変換規則(Transformational Rules)が必要であるという主張から、1965年に標準理論を提唱し、変換規則を含んだ文法体系を打ち出した。そして変換規則の力をどのように制限したら良いかを検討した結果、1981年に原理とパラメータ(Principles and Parameters)の理論に至ったのである。しかし突然、1995年に、全く新しい考えを打ち出し、今日では変換規則が文法から消えてしまっている。いったいチョムスキーの魂胆は何なのか。」



 
   平成22年6月25日(金) 16:30〜18:00
   「バフチンのポリセミーについて」
    発表者:本学人間文化学部教授  服部 昭郎 先生     

 
 学長統括プロジェクト主催、第3回「ことばの研究会」が平成22年6月25日(金)、本学マリア館ガイスラーホールにおいて開催されました。当日は、本学人間文化学部の服部昭郎教授より「バフチンのポリセミーについて」というテーマで研究発表が行われました。
今回の研究発表では、小説の多言語性を表すヘテログロシアという考えがさらに文化の様式についての理論モデルに発展して、いわゆるカーニヴァル論を生み出したのではないかと捉え、その枠組みを、スコットランド啓蒙の時代に古都エディンバラで活躍した銅版画肖像画家ジョン・ケイの作品を例に検証された成果が発表されました。

その後、出席した約14名の教職員と学生から多数の質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。



 
   平成22年5月27日(木) 16:30〜18:00
   「幼児期における私的言語と心の理解の発達-言語発達と心の理解との関係を探る」
    発表者:本学心理学部教授  高井 直美 先生
  

 
 学長統括プロジェクト主催、第2回「ことばの研究会」が平成22年5月27日(木)、本学マリア館ガイスラーホールにおいて開催されました。当日は、本学心理学部の高井直美教授より「幼児期における私的言語と心の理解の発達」というテーマで研究の話題が提供され、出席した約15名の教員との意見交換も活発に行われました。高井教授は最後に「言語は、獲得時から、他者の心の理解と密接に関係していると思われる。そして子どもは、言語により、他者の心を詳細に理解したり、子ども自身の思考を発達させると考えられる。このような発達には個人差があるだろう。また、特定の障がいによって、他者や自分の心の理解と結びつかないまま、言語が発達する場合もあると考えられる。」と発表をまとめられました。



 
   平成22年3月3日(水) 16:30〜18:00
   「ジェロントロジー(老年学)とは何か」
    発表者:本学生活福祉文化学部准教授 加藤 佐千子 先生
   「友人関係のコミュニケーション・ルールについて」
    発表者:本学生活福祉文化学部講師 畠山 寛 先生

 
 学長統括プロジェクト主催、第1回「研究会」が2010年3月3日(水)、本学マリア館ガイスラーホールにおいて開催されました。当日は、学長統括プロジェクトが取り組んでいる「ジェロントロジー」と「ことばの研究会」から話題を提供していただき、約50名の教職員が参加し、本学の研究発表者と教職員との間で意見交換を行いました。
藪内学長挨拶に続き、まず、加藤佐千子准教授(生活福祉文化学部)が、「ジェロントロジー(老年学)とは何か」というタイトルで、ジェロントロジーの定義、研究史、日本の老年学研究の現況などについて包括的な発表をされました。

 引き続き言語共同研究に移り、畠山寛講師(生活福祉文化学部)により、「友人関係のコミュニケーション・ルールについて」というタイトルで、'学生の友人間コミュニケーションにおける規範意識に関する発表が行われました。

 その後、この二つのテーマについてそれぞれ参加者から質問が出され、その質問についてまた議論するなど、参加者にとって学ぶところが多い研究会でした。

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