学長メッセージ/歴史・沿革

学長メッセージ

ひとりひとりと向き合い、
対話することを大切に 新しい学びを提供します

本学のモットー「徳と知」は、豊かな人間性と物事を見極める知性の涵養を示します。
それを目指し、教員と学生の距離の近さを活かした、ひとりひとりと向き合う丁寧な教育を提供します。それが本学の“「対話」から始まるND教育”です。
学科の専門性に加え、思考や共感の根源としての「ことば」の力を養って、しなやかに自らの道を切り開きながら、人と人とをつなぎ、共生社会を紡ぐ女性を育てます。真摯に学ぶ皆さんを、教職員全員で応援します。

2022年度 前期卒業式 式辞

 皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 ご家族の皆様にも心より御慶び申し上げます。

 今年度もコロナ禍中の前期卒業式となりました。あいかわらずマスクをつけ、人との距離をとって卒業のお祝いをしなければなりませんが、それでも、理不尽な戦闘に怯える人たちのことを思うと、卒業式を執り行えることを、幸せに思わねばならないのかもしれません。

 世界を見渡すと、新型コロナウィルスの災厄はくすぶり続け、世界各地で地球環境問題を起因とした気候変動による激甚災害は、思わぬ被害をもたらし、そのうえにロシアの侵攻によるウクライナでの戦闘は、いっこうに治まる気配を見せません。ITの発達とグローバル化の進展により、それらがリアルタイムでニュース映像に映し出され、いやでも私たちが目にする日々が続きます。少し前まで防護服を着た関係者が消毒作業をする以外、人の姿が消えてなくなった都市封鎖の模様が報じられていました。あるいは熱波や山火事、干ばつや大洪水などの大規模な被害状況に立ちすくむ人々の姿が、さらには激しい戦闘の模様や凄惨な被害状況が、モニター画面から映し出されます。

 それらをみていると、私たちは今、世界の大変革期を迎えていることを痛感します。ただしこれらの問題は、いずれも人間の欲望や傲慢さがもたらした災厄や不幸、難題です。変わらねばならないのは、私たちの行動の仕方であるといえるでしょう。私たちは、生き方、考え方を変えねばならない臨界点に立っていることを、自覚せねばなりません。

 皆さんは大学生活の後半部分をコロナ禍で過ごしました。卒業研究や就活に制約を受けて苦労され、ここしばらくは自分の卒業や進路など、自分のことで精一杯であっただろうと推察します。ただ、本日をもって学生生活に区切りをつけ、社会に出て行かれる限りは、グローバルな情報化時代に生きる者として、社会の状況や世界の動向への感受性を高めて、問題の本質や解決の方向を、自分自身で考える人であってほしいと思います。

 「人が変われば世界が変わる」ノートルダム教育修道女会を築いたマザーテレジア・ゲルハルディンガーが、自身の恩師から受け継いだことばを、改めて皆さんに
贈ります。自分に何ができるか、いかに行動すべきか、真摯に問い続けてください。その自問自答の繰り返しにより成長していく皆さんたちによって、世界が変わることを願わずにはおられません。そのように生きる皆さんの人生が、充実したものになりますように、お祈りしています。

2022年9月22日
京都ノートルダム女子大学
学長 中村 久美

2022年度 入学式 式辞

 皆さん、ご入学おめでとうございます。
 ご家族の皆様にも、心より御慶び申し上げます。
 新型コロナウィルスの脅威はまだくすぶり続ける一方、世界では戦争をしかけられた国の惨状は目を覆うばかりで、それを見守る国々も様々な影響を受け、人々の生活に影をさします。それでも日本では、新たな出発の春がやってきました。

 皆さんもいろいろな思いを胸に、この入学式に臨まれていることでしょう。コロナ禍の制約の多かった高校生活を引きずったまま、なんとなくこの席に座っている方もおられるかもしれません。ただし皆さんは、すでに昨日から大人であると法的に認められています。大人としてひとつの節目を迎えたからには、本日から始まる大学生活を意義深いものにするため、気持ちを切り替えなければなりません

 大学で学ぶ目的は、社会活動に必要な知識や能力、資格を身につけることですが、それ以上に、よりよく生きていくうえでの根源的な力をつけることです。失敗や挫折を経験しても、豊かに生きていく意欲と勇気を自分でひねりだす力です。

 そのような力を身につけるためにはどうしたらよいか。よく言われることは教養を磨くことです。とりわけ哲学や思想など、古典の名著を読めとよく言われます。確かに大事なことです。あるいは本学が重視している人との対話、先生や事務の人との、また学生同士の対話から、力のヒントを得ること、これも大事です。ただし、これら読書や対話から学ぶうえでは、感じ取ること、感受する力が重要になります。そして力の源として感受するのであれば、書物や人のことばからだけでなく、目に入る、あるいは耳にする、あらゆるものから、感受できるものです。

 私は毎朝、通勤電車の終点、出町柳から30分ほど歩いて大学に来ます。途中、下鴨神社の糺の森を通ります。神が司る深遠な森は、新緑や紅葉、雪景色と四季折々に表情を変え、美しくすがすがしいものです。2月から3月にかけて、晴天の早朝、幾種類もの鳥の声が聞こえ、穏やかな日の光が、冬枯れの落葉樹の枝の間から地面に届き、地面に光と影の縞模様が描かれます。それを見ながら歩くとき、私はたいてい2つの感覚に囚われます。1つは鳥の声や日の光、大木や御手洗川のせせらぎなど、春を待つすべての自然や大地が祝福しているような感覚です。山積する問題を抱えて欝々とした気分で歩き出すことが多いのですが、この自然の祝福に包まれると、いつもと変わらずこの景色を見ながら歩いていけることに、喜びに似た感情を抱きます。もうひとつは、自然への畏敬の念です。どんなに厳しい冬でも悪天候が続いても、いつもの早春のように森の手前で鶯が鳴き、下草の間から見える川面が輝き、森のはずれの枝垂れ桜が花開く、自然の揺るぎない強さに対し、その中を懸命に歩く自分が、いかに小さく頼りない存在であるかを痛感します。自分の役割や能力の限界を自覚するとともに、それならなおさらもっと学ばなければいけないという思いを同時にもつのです。森を抜けるまでわずか数分の間ですが、自然から感受した様々な感覚や湧きあがる感情から、私はやるべき事や私としてのあり方をいろいろ考え、前を向きます。

 豊かな人生を獲得する力は、見たり読んだり聴いたりしただけで、身につくものではありません。見たり読んだり聴いたりしたものから感じ取って、その感じ取ったものから自分で考え育てていくものです。

 先生の講義やゼミで交わされることば、キャンパスでの友人との語らい、図書館書庫のひんやりとした空気と開いた頁の文字、あるいは実習やフィールドワークでの様々な出会いや経験、さらには四季折々の京都の自然や寺院のたたずまい、それらから感じ取ったことを自分で育てて、生きる力を養ってください。それを4年間積み重ねれば、あなたはきっと豊かな人生を切り開く大きな力をもって社会に出ていけるはずです。

 今様々な気持ちを抱いてここに座っておられる皆さんは、縁あって京都、北山の地にある、小規模のカトリック系女子大学に集いました。建学の精神は「徳と知」。それを体現していくための行動指針「尊ぶ」「対話する」「共感する」「行動する」この4つの動詞で表すミッションコミットメントを大切にしています。ここを、そして今日を出発点にして、迎える教職員や在校生とともに、互いに関わりあいながら共に学んでいきましょう。そのような皆さんを、私たち教職員は応援しています

2022年4月2日
京都ノートルダム女子大学
学長 中村 久美

歴史・沿革

1833

マザーテレジア・ゲルハルディンガーによって、ドイツのバイエルン王国にノートルダム教育修道女会創立
以降、ヨーロッパで、学校、幼稚園、障がい者の介護などの教育活動に携わる

1847 マザーテレジア・ゲルハルディンガーと4人のシスター、渡米
さまざまな困難とたたかいながら、貧しい移民の子どもたちの教育に携わる
1948

米国セントルイスから修道女会の4人のシスターが京都に派遣される

1952 ノートルダム女学院中学校設立
1953 ノートルダム女学院高等学校設立
1954 ノートルダム学院小学校設立
1961

ノートルダム女子大学設立
文学部英語英文学科開設

1963 文学部生活文化学科開設
1979 本学から海外への留学始まる
1999

大学名を「京都ノートルダム女子大学」と改称

2000 文学部を人間文化学部に名称変更
人間文化学科、生活福祉文化学科、生涯発達心理学科開設(生活文化学科を改組)
海外からの留学生受入始まる
2001 創立40周年記念事業開催(記念式典、国際シンポジウムなど)
2002 大学院人間文化研究科応用英語専攻(修士課程)開設
2003 大学院人間文化研究科 生涯発達臨床心理学専攻(修士課程)開設
心理臨床センター設置
2004 大学院人間文化研究科生活福祉文化専攻(修士課程)開設
2005 心理学部心理学科開設(生涯発達心理学科を改組)
大学院心理学研究科発達・学校心理学専攻(博士前期課程)、臨床心理学専攻(博士前期課程)開設(生涯発達臨床心理学専攻(修士課程)を改組)
心理学専攻(博士後期課程)を開設
大学院人間文化研究科人間文化専攻(修士課程)開設
2007 生活福祉文化学部生活福祉文化学科開設(生活福祉文化学科を改組)
2011

2011年 創立50周年

「北山キャンパス総合整備計画」の一環としてノートルダム館(京都工芸繊維大学構内)完成
キャロライン館(学生寮を含む教育複合施設)完成
創立50周年記念事業開催(記念式典・公開講座など)

2013 心理学部心理学科現代心理専攻開設(発達心理専攻より名称変更)
2015

全館リニューアル完成

創立50周年記念事業として進められてきた北山キャンパス総合整備計画により、全館リニューアル

2016 徳と知教育センター設置
2017 現代人間学部福祉生活デザイン学科、心理学科、こども教育学科開設 (生活福祉文化学部、心理学部を改組)
2019 国際言語文化学部英語英文学科、国際言語文化学部国際日本文化学科開設
(人間文化学部英語英文学科、人間文化学部人間文化学科より名称変更)
2021

創立60周年事業開催。
現代人間学部生活環境学科開設(福祉生活デザイン学科より名称変更)

2021年 創立60周年

マリアンモニュメント
同窓会からの寄付金をいただき、キャンパス南西角にマリアンモニュメントを設置