こども教育学科
ブロックで遊んで学ぶ!
夏休みに京都のある中学校で,教員向けの校内研修をしてきました。テーマは,「レゴ®シリアスプレイ®メソッドと教材を活用したワークショップ:これからの“私たちの学校”を描こう!」というものです。「レゴ®シリアスプレイ®」は,2000年代初めにレゴ社によって開発された新たなワークショップの手法で,作品を通して自分の考えを表現し,対話を深めていきます。先生たちは初めての経験に戸惑いながらも,テーマに沿って楽しく制作し,作品をもとにお互いの考えをより深く共有することができました。
現在,教育現場では,こどもたちに主体的・対話的で深い学びを提供することが求められていますが,まずは教員自身がそうした体験を積み重ねていくことが重要でしょう。そこで本学でも,保育者や教員を目指す学生が受講する授業の中で,学生が主体的・能動的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」の一手法として,「レゴ®シリアスプレイ®」を使ってみました。
写真は,3年生の「保育相談支援」という授業の最終回での学生の作品。これまでの学びをもとに「理想の子育て支援を考えよう」というテーマでした。2つとも「保護者と信頼関係を築き,支える」というもので,言葉で表現すると同じなのですが,ブロックで可視化するとより詳細に学生の考えが伝わってきます。左の作品は,保護者と保育者がしっかり正面から向き合い,「愛情(ピンク)」や「優しさ(緑)」「冷静さ(青)」「情熱(赤)」をもって対応し,固く結びついている様子だそうです。右の作品では,保育者は下に土台となって存在していて,保護者が笑顔で問題解決(花やゴールの旗)に向かうのを下支えしているということでした。他にも船で一緒に旅をする作品や,平屋の家屋で安心感を表現した作品など様々な作品があり,学生たちはそれらの作品や表現された内容に驚いたり感心したりしながら,笑顔で対話を重ねていました。
今後も様々に工夫した授業や研修で,学生や現職教員の学びを深めていこうと思っています。
網谷綾香