心理学科
心理学科4年次生の「卒業研究」が京都新聞に掲載されました
今年度、「マスク着用が対人恐怖の緩和に与える影響」というタイトルで卒業研究を行った、心理学科 社会・ビジネス心理コース4年次生のNさんの調査結果が、2023年1月30日の京都新聞夕刊に掲載されました。
京都新聞夕刊(2023年1月30日)一面より
研究の目的は、女子大学生を対象にコロナ前とコロナ後を比較して、マスク着用による対人恐怖の緩和にどのような差がみられるのかを明らかにすることでした。「マスクを着用した場合、対人恐怖が緩和されるのではないか」、「コロナ前、日常的にマスクを着用していなかった人は、日常的にマスクを着用し始めたことで、マスクによる対人恐怖緩和の影響を強く受けるようになるのではないか」等の仮説を検証するため、女子大学生117名を対象に調査を実施しました。
調査の結果、あまり親しくない相手や異性と話す時、発表をする時は、マスクが対人恐怖の緩和に影響することが示唆されました。また、仮説とは異なり、コロナ前からマスクを着用する習慣があった人の方が、マスクにより対人恐怖が緩和されたことが明らかになりました。
新聞記事では、調査結果の中でも、マスク着用に関する実態調査、特に「コロナ収束後もマスクを続けたいと思うか」や「その理由」に関する結果を取り上げて頂きました。
取材を受けた後のNさんの感想です。
「私自身、マスクをつけることで緊張しにくくなるため、マスクをつけることで対人恐怖がどう緩和されるのかについて興味を持ちました。分析が複雑なものもあり難しく感じたこともありましたが、自分が関心を持っていたテーマだったため、とても楽しく研究を行うことが出来ました。特に仮説と異なる結果が得られた時は、研究の面白さを感じました。最後までやり遂げることが出来て良かったです。」
ちょうどこの頃、世間では今後のマスク着用について議論が活発になり始め、マスクを着用に対する「心理的な側面」についても、社会の関心が高かったようです。今回のNさんの研究結果が、社会での様々な議論のきっかけになればと思います。
報告者:松島 るみ