心理学科
心理臨床センター創設20周年記念企画 『縦のつながり・横のつながり』
2024年3月20日に,心理学研究科では当大学心理臨床センターの創設20周年を記念し,事例検討会と小宴を企画いたしました。テーマを「縦のつながり・横のつながり」とし,心理臨床センターで研鑽を積んで卒業していったOGや教職員とのつながりと,さまざまな領域の人たちとの交流を目指して企画しました。
2003年の3月20日に当センターは開設され,当時学長であられた梶田叡一先生がセンター長を務められ,心理臨床と発達臨床の人材育成と地域貢献を主に活動が開始しました。
大学院生たちは,センターで研鑽を積み,修了後はさまざまな分野で活躍しております。そのセンターも2024年3月20日で20年を終え,21年目を迎えることができました。たくさんの方たちの地道な努力のおかげでここまで続けてこれました。感謝申し上げます。
当センターの現在はこちらをご覧ください。20年を終えた施設だとは微塵にも感じさせない清楚なたたずまいを現在も維持しています。
さて,20周年記念企画の第1部は,OGと教員,大学院生でクローズドの事例検討会を聖堂で行いました。
コメンテーターには,関西学院院長の中道基夫先生,長岡病院心理課の山出健博先生をお迎えし行いました。担当者が担当するまでの概要を紹介した後,中道先生には牧師の立場から,山出先生には認知行動療法の立場からどのような考えや対応を考えるかをお話しいただきました。背景にある学問が違う先生方のコメントをいただきながら,多角的に検討を行いました。またOGであるフロアからも積極的な意見や感想が述べられ,「縦のつながり・横のつながり」を実感した時間となりました。
4時間の第1部はあっという間に過ぎ,発表者やコメンテーターの先生方の背後には,十字架から水色のタイルの流れ,そして小麦にあるように生命の流れや復活を感じさせる場(中道先生のことば)で,「対話」が生まれたときでした。立場や背景の理論が違う者同士で,それぞれの考えや仮説,意見を述べ,議論することはそうたやすくないことも感じることとなり,いつか立場が違うからこそできる議論を行える会に成長したいとも思いました。
事例検討会の会場となった聖堂
第2部は食堂で小宴を催しました。2005年センター長の藪内稔先生や2008年センター長の藤川洋子先生もお越しになり,お祝いのお言葉をいただきました。また中村久美学長も駆けつけてくださりました。コロナ禍ではなかなか実現しなかった交流会ですが,軽食を囲みながら,大学院生が中心になって作成された,心理臨床センターの20年を振り返るスライドショーや交流を深めるゲーム企画を交え,あちこちで笑顔や歓声があがる時間になりました。
中村久美学長からのお祝いのお言葉と小宴の様子
20年,0歳だった子どもが20歳になるのと同じくらい大きな変化を遂げつつも,変わらない仲間とのつながりや,心理臨床や発達臨床の基本を持ち続け,受け継がれています。変わらないこと,変わること,変えていくことの塩梅を図りながらも,大切にしていきたいことは変わらないと感じた小宴でした。
コメンテーターの先生,来賓の先生,学長,OGや教職員,そして企画の準備から片付けまでてきぱきとこなしてきた在学生のみなさん,本当に素敵な時間でした。ありがとうございます。
3月20日は季節を分ける日に,心理臨床センターは創設され,この度21年に向かってさらなる一歩を踏み出します。これからも「縦のつながり・横のつながり」を大切にしながら地域貢献と人材育成に努めてまいりたいと思います。
20周年ポーズの記念写真
報告:心理臨床センター長 伊藤一美