国際日本文化学科
韓国調査に行ってきました
3月に研究調査のために韓国に行ってきました。コロナ禍をはさんで実に4年ぶりの現地調査でした。
今回の調査の目的は、韓国の教育大学院を訪れて才能教育(特異な才能のある子どもを対象にした教育)に関する科目の設置状況を調べることです。教育大学院というのは主に現職の教師の専門性向のために設置される大学院で、日本の教職大学院に似ています。
今回はソウル市、清州市、大邱市、釜山市の4都市の5つの教育大学院を4泊5日でめぐるという強行軍でしたが、久しぶりの韓国調査にテンションが上がり疲れも感じませんでした。
首都ソウル市にあるソウル教育大学とその教育大学院です。ソウル教育大学は主にソウル市の小学校教師を育てる学校ですが、韓国では小学校教師が常に人気職業ランキングの上位を占めることもあり入学がとても難しい大学の1つです。きれいな建物ですね。私立大学と思うかも知れませんが国立大学です。韓国の大学の建物は立派なものが多いです。大学の権威がまだまだ高い社会だからでしょうか。
同じくソウル市の朝、小学生の登校風景です。韓国には集団登校という制度がないので、児童はそれぞれ別々に登校します。低学年のうちは保護者に付き添ってもらうことが多いようです。ちなみに韓国の公立小学校では基本的に制服がなく私服です。
学校前の交差点に交通安全のための横断旗を持ったボランティアさんが立っています。こうしたところは日本と同じですね。お隣の国でも同じところと違うところがあっておもしろいです。
今回の調査によって、韓国の教育大学院には理数系を中心に才能教育を担当する教師の専門性を向上させる科目が設置されていることが分かりました。ちなみに韓国の小学校教師の約30%は大学院を修了し修士号を持っています。対する日本の小学校教師で修士号を持っているのは約5%に過ぎないといわれます。韓国の教師がこぞって大学院で学位を取得する理由などについても引き続き調べていきたいです。
報告:石川裕之(国際日本文化学科)