人間文化研究科 人間文化専攻 修士課程

各国・地域の多様な文化を
学際的に研究し、
人間存在の本質に迫る

人間の想像力は、生活の中に息づいて多様な文化所産をその歴史に遺してきました。
人間文化専攻では、文化所産を文学や思想などの側面から研究するとともに、
衣食住や社会の構成、制度などの生活文化の側面からの研究も加えて学際的な研究を展開します。
これらをもとに、文化に対する敬意の念と理解に支えられた研究能力を身につけ、
現代社会の要請に応える、真の意味での文化のスペシャリストを育成します。

学問領域

  • 文化学領域

めざす人材

文化表現の本質を理解し世界に発信するスペシャリスト

●国際機関、NGO、文化・教育研究機関、各種公共団体、出版企業などにおける専門職

取得可能免許

  • 教諭免許
    (中学校専修 国語/高等学校専修 国語)

CURRICULUM

カリキュラム

人間文化専攻の教育課程は、研究の基礎能力を養う基礎科目、文化そして、図書館情報学・生活文化学などの文化継承の方法について学ぶ専門科目、各自の課題に即した実践的な研究能力を身につける演習科目から成ります。

基礎科目

基礎科目は1年次必修で、文化の特性に関する認識の質的な転換を図り、一層高度な理解力と運用能力を身につけます。

  • 文化学研究方法論
  • 文化学研究実践論

専門科目

専門科目は、個々の民族や社会集団特有の文化的所産である文学、生活などを、民族的・地域的特性や言語・宗教・生活風習といった文化的背景から探究します。また、多様な文化間の協調と共生の可能性を積極的に探究し、さらに諸文化において継承されてきた有形・無形の文化的所産を未来に向けて活用する方法を考察します。自分の研究目的により、各専門科目を柔軟に組み合わせ、幅広い視野で考察する学際的な探求力を高めることができます。

  • 漢文学特論
  • 日本近代文学特論
  • 日本近代詩特論
  • キリスト教文化特論
  • 日本文学史特論
  • 出版・情報文化特論
  • 読書教育特論
  • 女性健康文化特論
  • 図書館情報文化特論

演習科目・研究指導科目

演習科目では、「専門科目」の履修内容を踏まえて、専門分野について実践的に学び、自身の理解を発展させます。1年次、2年次の毎学期に開講される「特別研究」では、修士論文のテーマの選択や研究の方向性について段階を追って指導を受け、修士論文の作成方法を学び、論文執筆につなげます。

  • 日本文学演習
  • 読書支援プログラム演習
  • 日中言語交流史演習
  • 図書館情報学実習
  • 特別研究

科目
ピックアップ

文化学研究実践論

文化の研究では、年々新たな試みがおこなわれています。研究を志す者は、伝統的な研究方法とともに、新しい研究の考え方や方法を学び、自らのものとする必要があります。本クラスでは、学会で発表される最新の研究活動を知るとともに、その方法論の妥当性を検証しながら、自ら実践し自在に活用することを目標とします。

図書館情報文化特論

読書や情報探索行動は、人間にとって生涯にわたる文化活動の一部で、その習慣や方法を身につける支援は、図書館の大切な役割の一つです。本特論では、読書能力・読書興味の発達段階、学習理論、情報ニーズ・情報探索行動のプロセス分析などの学術研究への理解を深め、より良い図書館サービスのあり方を探ります。

日本近代文学特論

明治時代となって日本は近代化という坂を駆け上がっていきました。政治や経済、社会のしくみなどあらゆる事物が変革されていったのですが、文学も例外ではありませんでした。本特論では、小説や詩歌の言葉と表現の変遷を辿りながら、近代における文学の特質と展開を明らかにして、文学における近代化という営みを捉えていきます。

修士論文題目

  • 太宰治「善蔵を思ふ」論 ―「嘘みたいな、まことの話」を基軸に―
  • 泉鏡花怪異小説論 ―「高野聖」と「眉隠しの霊」を通して―
  • 宮崎駿監督作品の本当らしさ~「となりのトトロ」を中心に~
  • 李白の詩における美意識について ―「月」に関する語彙を中心に―
  • 英国のベッドタイムストーリーと日本の読み聞かせに関する考察
  • 国内の公共図書館におけるLLブックの提供と課題~利用を支える出版と普及モデルの考察~

GRADUATE'S VOICE

言葉について深く研究した大学院での学びは生涯の宝です。

大学院では、今もなお古文の係り結びの面影を残す助詞「しか」に焦点を絞り研究を行いました。古今のあらゆる用例を分析し、その用法に従来の解釈では説明し得ない新規性を見い出していく過程は、まさに言葉の海を深く潜っていくような、生涯の宝とも言える充実した活動でした。現在は教員として言語教育に携わっています。人の思考は言葉を用いる以上、その人の所有する語彙の範囲を超えることはできません。言葉を知ることによって、自身を強め、また守ることができるのだということを、国語教育を通じて理解してもらえるよう指導に努めています。

山梨英和中学校・高等学校 国語科教諭
小林愛美
人間文化研究科 人間文化専攻2020年修了

主な就職先

  • 京都府教育委員会(教員)
  • 学校法人山梨英和学院
    山梨英和中学校・高等学校(教員)
  • 社会福祉法人西宮市
    社会福祉協議会
    西宮市視覚障害者図書館(司書)
  • 公益財団法人京都文化財団
    京都府立堂本印象美術館
  • 社会医療法人愛仁会(事務)
大学院入試
デジタルパンフレット
担当教員
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