心理学科

「誰もが快適な生理を」プロジェクトの最終報告会を行いました

2024-05-14
学科のまなび

 2023年度、心理学科の3つのゼミ学生有志は、フェムテックジャパンを主催する株式会社 G-Place様と産学連携の取り組みを進めました(活動の詳細は、以前のブログ記事もご覧ください。6月9日の記事はこちら、8月25日の記事はこちら)。

 取り組みの内容と主な結果は以下の通りです。

〇松島ゼミでは、ノンポリマーナプキン「ナチュラムーン」について、学生をモニターに調査を行い、使用感や現在使用しているナプキンとの比較を行いました

⇒モニター調査の結果より、付け心地や通気性の良さから今後も使用したいと思う人の割合は約8割となり、今後「ナチュラムーン」を人に薦めたいと思う理由について、悩みを持つ人は、生理に関する症状の改善に関する内容が多いことがわかりました。生理に関する悩みを持つ人と持たない人の人数は半数ずつでしたが、悩みがある人でも、4割の人がこだわりなく生理用品を購入していることから、ポリマーナプキン以外の選択肢を考えるといった、生理用品に関する知識がなく、悩みがあっても、あきらめたり、我慢している人が少なからずいることが分かりました。

松島ゼミ 発表の様子

〇尾崎ゼミでは、生理時のストレスや生理用品の購買行動を調査した他、学内トイレでのナプキン無料配布をどうしたら促進できるか実証実験しました

⇒学内トイレに設置した無料提供ナプキンの利用状況を検討した結果、共用スペースよりも個室の方が利用しやすいことが分かりました。ノンポリマーナプキンの説明を記載したPOPについては、ほぼ全員が認知しており、そのうち約1/3はPOPを見て無料提供ナプキンを利用したこと、POPの内容まで読んだ人はノンポリマーナプキンを購入してでも使用したいと考える割合が多いことが明らかになりました。生理用ナプキンの購買行動については、ドラッグストアで購入する人が多く、購入時には大きさや漏れにくさ、吸収力、買いやすさや価格の安さを重視する人が多いことが分かりました。ナプキン利用時のストレスについては、蒸れやずれの他、服装や音、においを気にする人が多いことが分かり、これらの結果をもとに、女子大学生が求める生理用ナプキンについて考察しました。

尾崎ゼミ 発表の様子

〇下田ゼミでは、大学内でのナプキン無料配布の取り組みが、大学への印象変化に影響するかを調査しました

⇒調査の結果より、ナプキン無料配布前後の大学に関する印象について、「明るい」「外向的」といった側面は事前調査に比べて事後調査の方が高まる傾向が確認されました。また、統計的に有意な差は見られなかったものの、「感じの良い」「積極的な」「あたたかい」は事前調査より事後調査の方が高まったことが明らかになりました。このことから、大学側の新しい取り組みに、学生側の期待が高まり、大学に対するポジティブな印象をもたらしたのではないかと考えられました。

下田ゼミ 発表の様子
 

 2023年度の本取り組みについて、2名の学生がフェムテックジャパン様の特集記事でインタビュー(フェムテックジャパンカレッジ)に参加させて頂き、授業を通してどのような学びがあったのかを話してくれています。こちらのインタビューも是非ご覧ください。

 女性の健康課題に目を向け、調査の実施や考察を進めてきた過程での様々な学びに加え、8月には、「フェムテック・フェムケアジャパン in 大阪」で発表させて頂く機会も頂きました。様々な立場の来場者とお話しできたことは、学生にとって、大変貴重な経験となりました。

 2024年度以降も、「誰もが快適な生理を」プロジェクトを心理学科で継続し、発展させてしていきたいと思います。最後になりましたが、今回の授業連携をさせて頂いたフェムテックジャパンの野口俊英様には大変お世話になりありがとうございました。

記録:心理学科ゼミ担当 松島るみ・尾崎仁美・下田麻衣

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