国際日本文化学科

祇園祭を支える方々からお話を伺いました

2023-06-30
学科のまなび

7月が目前となってまいりました。京都の街中が、祇園祭一色に染まる1か月です。先日、国際日本文化学科の「フィールド実践演習」の授業では、2週にわたり、祇園祭に携わる方々からご講演いただきました。

第1回目は、鯉山保存会 理事長の北川和男氏です。
鯉山の懸装品、特に16世紀フランドル(現在のベルギー)にて織られたタペストリーについて、ヨーロッパにも残っていない貴重なものであること、最新の研究で明らかになったことなど、詳しくお教えいただきました。学術的な内容だけではなく、巡行の際の面白いエピソードにもワクワクいたしました。質疑応答が終わってもなお、学生たちが先生を囲んでおりました。

学生の感想より一部ご紹介します:
「鯉山の復興の歴史について、とても興味深く感じました。3度焼けてそのたびに復興したということ、復興して今の鯉山の形であるということが、とても衝撃的でした」
「インターネットで情報が多く散らばっている時代でも、実際に一つの山に関わっている方からのお話は、リアリティのあるものとして受け取ることができました。懸装品について謎が多かったのが、科学が進化するにつれてどんどん明らかになることが多くなっていると知ることができました」
「今回のお話で、一つ一つに意味があるということを感じました。曖昧に出来上がったものを行うのではなく、たとえば、献灯を灯しておくのにも意味があるということを伺って、より祇園祭というものが明確になったと思いました。大雨の時に使用する雨覆は格好良く、特別感があるなと感じました」

そして、第2回目は、長刀鉾保存会 資財方代表の岡本幸三氏です。
1000近くの資材から成る鉾がいかに組み上げられるか、鉾に乗る囃子方の舞台裏での様子、大阪万博(1970年)や名古屋の百貨店への長刀鉾の出張(現在では、重要有形民俗文化財になったので、府外に出すことはほぼ不可能とのことです)など、秘話盛りだくさんでした。この日の終了後も、学生たちは先生に質問していたことでした。

学生の感想よりご紹介します:
「欄縁にナメクジがいること、受験生の間に人気になったお守り、気になる話がたくさんあって本当に勉強になりました」
「長刀鉾の歴史とそれに対する熱意を感じることができました。また、地域の人々だけでなく、祇園祭を見るために遠くからやって来た人々にも特に愛されている鉾であることを知りました」
「鉾の内部のことやどのような雰囲気であるか、こういったことがあった、など、その場にいた人なければ伺えないお話で、とても臨場感があり、わかりやすかったです。伝統のあるものであるから、もっと堅い雰囲気であるのだろうかと想像していたため、ときには和やかに楽しんでいるような舞台裏には少し驚きました」

どちらの保存会の方も、祭りへの誇りと愛がいっぱいでした。計り知れないご苦労もあるかと思いますが、今年の祇園祭も無事に執り行われることを心から祈り、そして私たちも楽しみたいですね(7月には会所見学に伺う予定です)。

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