生活環境学科

みんなの森 ぎふメディアコスモス 視察レポート(建築好き必見!)

2023-12-25
学科のまなび

みんなの森 ぎふメディアコスモスを視察しました!

住環境学ゼミは、京都府南山城支援学校にユニバーサルな図書館を新設するプロジェクトに参加しています。
ユニバーサルな図書館は増えています。
12月17日、ゼミでは「みんなの森 ぎふメディアコスモス」に視察にいってきました。このブログはそのレポートです。写真もたくさん掲載しましたので、建築好きの人、必見です!!

 この建物のコンセプトは「屋根の付いた公園」です。建築界のノーベル賞といわれる、プリツカー賞を受賞した 伊東豊雄氏の設計です。当施設の司書、高井さまが案内してくださいました。

 建物の外観は、木組みとガラス、屋根の形はゆるやかな曲線で岐阜の山々を思わせるやさしい有機的なデザインです。一歩中にはいると、建物の開放感に驚かされました。壁がなく、広々した空間が広がっていました。

 建物は2階建て。1Fは市民活動交流センター・多文化交流プラザ、2Fは図書館です。

中央のスタッフのカウンターは低く、利用者がいつでも気軽に立ち寄れるデザインです。あちらこちらに デスク、畳コーナー、スツールと多種多様な座具が配置されていて、自分の好みの居場所を自由に選択できます。

2Fの図書館も、1F同様、壁がなく、どこからでもフロア全体を見渡すことができます。それを実現しているのが低く設定された書棚の高さです。特にキッズエリアは書棚が低めなので、親がこどもを見失うことがありません。壁や仕切りはありませんが、天井から吊るされた大きなグローブ(きのこの頭のような形状のもの)が、図書エリアの区別を自然に意識させてくれます。各エリアの書棚はグローブを中心に波紋のように同心円を描いて配置されています。書棚の間に直線通路はなくどこを見ても本。まるで本の森に迷い込んだようです。

 一般的に図書館は利用者に静かさを求める施設です。けれどもこの施設は「子どもの声は未来の声」と、おしゃべりも自由です。少しざわざわしていますが、それがかえって落ち着き、周囲が気にならず不思議と集中できます。
また図書館でありながらうっすら暗めです。天井照明はほとんどなく、天窓からの採光と、多く設置され蛍の光のようなぽつぽつと点在する卓上ランプの灯りに頼った光環境が、やさしく、とっても落ち着きます。空調は、換気扇やエアコンなどの機械設備は見当たりません。グローブ上部天井の窓を開けると館内の空気がグローブに吸い込まれるように抜けていく、とても素敵な自然換気の仕組みです。また、1Fの床下には長良川の水を引き、それを冬は温め、夏は冷やすことで、床暖房(冷房)で心地よい室温を保っています。天井の檜の木組みはかすかな森の香りを発散しています。
 音、光、空気、熱の要素にも一切の妥協なく人の五感、そして地球環境への配慮まで、計算されつくした建物で深く感じ入りました。

 ゼミ学生は、新しいスタイルの図書館に出会い、多くのことを学ぶことができました。とても気に入ったようで、いつまでもここにいたい、岐阜に住みたい などの感想もでました。
この施設のすばらしさはホームページやカタログでは決してわからなかったと思います。実際に現地に訪問してとても良かったです。

 わかりやすい説明で館内を案内してくださった、高井様、本当にありがとうございました。お世話になりました。

写真:フロア中央から吊るされた、ひときわ大きなグローブの下が、インフォメーションです。

キッズスペースは、特に低い本棚になっています。子どもがどこにいるか見つけやすい配慮です!

柱をとりまく、カラフルな丸い球。 これもユニークな居場所です。見た目以上に座り心地抜群です!

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