こども教育学科

多様性について

2023-10-12
学科のまなび

 ラグビーのワールドカップが開催されています。
スポーツのもつ素晴らしさは、多くの人を区別することなく、皆一緒になって楽しむことができることです。
 また、選手たちのお互いをリスペクトする姿には感動させられます。
日本代表の結果は残念でしたが、ラグビーに取り組む姿からは、多くのことを学ばせてもらいました。

 ラグビーでは、数多くの外国籍の選手が、日本代表として活躍しています。
ラグビーでは、代表選手になる資格が以下のとおりになっています。
① 出生地がその国。
② 両親、祖父母の一人が当該国で出生している。
③ プレーする時点の直前の60か月間継続して当該国を居住地としていた。
④ プレーする時点までに、通算10年間、当該国に滞在していた。
つまり、国籍が条件となっているわけではないのです。
ラグビーのもつ「One for all. All for one.」の精神を表した、多様性を認めあう規定だと言えると思います。

 我々も、桜のジャージを着た選手たちを、見た目や国籍によって区別することなく、我々を代表するチームとして応援できていますよね。
スポーツのもつ力だと思います。


 しかしながら、世界では、国による争いが未だに絶えることなく続いています。
国内では、その人の責によらない理不尽な理由での差別的な事象が未だに残っています。
なんと前時代的な考えであり、残念なことかと、解決のために何ができるのか考え続けています。
学校教育は、一歩間違えると、権力者による価値の注入によるイデオロギーの強化に使われかねません。
戦前の皇国史観に基づく歴史教育はその代表例です。
本来の学校教育の目標は、子どもの生きる力を育みながら、様々な問題に出会ったときに、それぞれがもっている力を活かしながら、問題の解決に努めることができる人を育むことではないでしょうか。

 

 

 他者の考えに耳を傾け、尊重し、多様性を認め合えるような、自律した人を育てるために、我々には何ができるでしょうか。
 私自身、自分を省みながら、人のことを言えるのかと恥ずかしい思いです。
自分には何が足りないのか。
そして、何を学ばなければならないのか。
 大学は、そのことについてじっくりと考えることができる場所でもあります。
そのための時間が、学生の皆さんにはあります。

 ラグビーをはじめ、スポーツを見ながら、そんなことを考えてみませんか。

大西慎也

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