国際日本文化学科

日本庭園の魅力

2024-01-21
学科のまなび

はるか昔、「バビロンの空中庭園」という伝説的な庭園がありました。この庭園がどのようなものであったのかは、色々推測されています。「空中」といっても、浮かんでいたわけではなく、高い階段状の建物に植物を育てたもののようです。


バビロンの庭園が消えてしまったように、庭園は、人が関わり続けないとあっと言う間に荒れてしまいます。「庭」というのは、単なる自然とは異なり、人間が関与して作り上げる小さな世界だからです。ゆえに、私たちが庭を見るときには、直感的にその庭を大切に世話している人の存在を感じます。


さて、京都には多数の名園がありますが、それらを美しく維持管理することは、並大抵のことではありません。京都を散策していると、しばしば造園業のトラックに遭遇するのは、当然のことでしょう。
そんな「手入れ」の大変さを考えながら、先日、大学の近所の「修学院離宮」を訪問しました。

かなり歩きます(全行程で、約3キロ)。 この庭を造らせた後水尾上皇は、輿を使用されたはずですが、我々は徒歩です…

歩きながら様々な眺めが楽しめるのが、この離宮の特色です。田舎風を演出するために、田畑までも敷地にあり、見事に剪定された松に挟まれた通路もあります。樹木の種類や高さ、すべてが計算されています。そして、その効果を支えるのが、圧倒的な手入れです。私たちが訪問したときも、作業されている方々をお見かけしました。

もっとも高い場所にある隣雲亭から望む「浴龍池」。

雄大な眺め、小さな草木、どちらも存分に楽しむことのできる「修学院離宮」の魅力を支えているのは、日々のたゆまぬ丹精なのです。

過去のブログサイトはこちら

Scroll up