国際日本文化学科

面白い科目~異界・妖怪学~

2024-03-20
学科のまなび

春休み、今年度を振り返り来年度に備える時期ですね。そんなときの指針の一つがカリキュラムです。大学で入学してから卒業するまで、どのようなことが学べるのか?を表明するのがカリキュラムです。そこに並ぶ科目の数々を見ると、学科の特色が良く分かります。
そして、国際日本文化学科のカリキュラムの中には、ユニークな科目がありますが、その筆頭が「異界・妖怪学」でしょう。少し前に、授業の様子を拝見しましたので、報告いたします。


ご担当くださっているのは、マルティン・タタルチュク先生。日本文化史の研究者で、Kaidan – japońskie opowieści niesamowite epoki Edo, Wydawnictwo Trio, Warszawa 2011という、江戸時代日本の怪談に関する著作をワルシャワ(ポーランド)で、出版されています。
科目の課題は、
「生活圏の中にある「異界」を歴史文化と関連付ける」
「文化的背景を理解し「妖怪」を題材にした現代文化の考察を行う」とのこと。
つまり、過去から現代につながる存在として、不思議なものたちに向かい合うのです。

ある日の授業に潜入しました。この日のテーマは「魔界京都の誕生とその事例」でした。ちなみに講義は日本語で行われます。

四神相応の地として都が形成されているところから説き起こされたのですが、考察は現代に展開していきます。京都はザ・観光都市でもあるわけですが、1990年代に誕生した「魔界京都」とその産物である「晴明ブーム」を深堀りしていく展開です。

この日は大教室での講義だったのですが、実は「エクスカーション」として、学外でのフィールドワークも含まれている科目です。受講生たちによれば、「講義で先生の話を聴くだけではなく、実際にそういった場所を訪れることでより知識が深まり面白い」「フィールドワークの場所は数ヶ所用意されており、個々に持ち帰った知見を発表で共有できる。多角的な意見を知ることができる」・・・とのこと。シラバスには、京都の中の「異界」「妖怪」を探しに行くと書かれています…いったい何が見つかったのでしょう!

他の受講生からも感想をお聞きしたので、最後に紹介いたします。

「授業では、時代ごとに様々な妖怪の種類について学ぶことができ、とても面白いです。
また、フィールドワークでは、今でも現存している異界・妖怪にルーツのある神社仏閣を巡り、異界・妖怪とどのように関係しているのか、その場所が「異界・妖怪」というものをどの様にアピールしているのか学ぶことができます。とても楽しい科目です。」

「幼い頃によく、『ゲゲゲの鬼太郎』や『妖怪人間ベム』を観ており、入学前からこの異界・妖怪学の授業を受講してみたいと思っていました。そもそも滅多にない授業なので、とても興味を持っていました。
 実際に受講してみると、妖怪や幽霊はただ単に恐ろしかったり、怖かったりするものではなく、本当は人間を守ってくれたり、神様みたいな役割を担うこともあると知り、興味深くて面白かったです。さらに、先生がポーランド出身の方だったので、海外の幽霊や妖怪と日本の幽霊や妖怪を比較して、相違点や共通点などを学べました。」

以上、「異界・妖怪学」の魅力、伝わりましたでしょうか?? 

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