心理学科

2022年度 社会調査ゼミの発表会を行いました!(part1―下田ゼミ・松島ゼミ3年次生)

2023-03-06
学科のまなび

心理学科3年次生の4ゼミ(尾崎ゼミ・菊野ゼミ・下田ゼミ・松島ゼミ)では、「心理学演習(ゼミ)」の授業において、1年にわたり調査研究を行ってきました。
2022年度は、2週にわたって各ゼミの発表を行いました。今回はpart1として、下田ゼミ・松島ゼミの6発表について報告します。

【下田ゼミ①】イヤホン・ヘッドホン着用動機尺度の作成の試み
私たちは普段何気なくイヤホンやヘッドホンを着用していますが、音楽や動画の視聴以外の目的で着用することはないのでしょうか。本研究ではイヤホン・ヘッドホンの着用動機を明らかにすることを目的に、大学生104名にアンケートを実施しました。その結果、イヤホン・ヘッドホンを着用する動機として、4つの因子(「音へのこだわり」、「公共への配慮」、「気分転換」、「外部とのつながりの遮断」)が抽出されました。これらの結果から、音楽や動画の視聴以外にも私たちは様々な理由でイヤホン・ヘッドホンを着用していることがわかりました。

【下田ゼミ②】店員の声掛けが洋服購入時の消費行動に及ぼす影響
洋服屋などで店員から声掛けされることが苦手だと感じることはないでしょうか。本研究では、店員の声掛けが不快に感じられる要因の検討として、店員の自己主張の強さと客のリアクタンス特性の個人差(例:他者からの行動制約に対して個人の自由を侵害されたと感じやすい傾向)に着目しました。女子大学生90名にアンケートを実施した結果、リアクタンス特性の個人差にかかわらず、自己主張が強い店員の声掛けのときの方が弱いときに比べて、店員や店に対するネガティブな印象が高まることがわかりました。

【松島ゼミ①】ファン対象(推し)に対する心理と推し活に対する投資額との関連性
ファン対象(推し)に対する心理と推し活に費やす金額には関連が見られるのかを明らかにするため、130名の大学生を対象に調査を行いました。ファン心理の中でも、特に推しへの疑似恋愛感情が強い人ほど、グッズ購入や製作費、ライブ・イベントや宿泊費等の投資額が高いことがわかりました。また、推しに対する尊敬・憧れ、共依存的感情、疑似恋愛感情は男性よりも女性の方が高い傾向にあることが明らかになりました。

【松島ゼミ②】自尊心とアンチファン態度の関連について
自尊心とアンチファン態度(芸能や音楽等の分野における特定の人物に対し、嫌悪感情を示し、誹謗中傷等の態度をとること)にどのような関連があるかを調べるため、100名の女子大学生を対象にアンケートを行いました。その結果、常に他者と自分を比較する傾向にある社会的自尊心が低い人は、アンチファン対象の傲慢な言動に対し不快に感じるというアンチファン態度がみられることがわかりました。

【松島ゼミ③】Instagramによるファッション認識や行動への影響
Instagramがファッションに対する意識や行動にどのように影響しているかを明らかにするため、大学生99名に調査を行いました。Instagramをきっかけに洋服を購入したことがある人は、企業の公式アカウントの投稿や広告よりも、「インフルエンサー」の投稿をきっかけに購入する傾向が強いことが明らかになりました。また、インフルエンサーをフォローしている人の方が、フォローしていない人よりも周りに流されやすい特性があることが示されました。

【松島ゼミ④】「ファン」の性格と「推し対象」の性格の関連性
自分自身と「推し」対象の性格は似ているのか(類似性)、あるいは異なるのか(相補性)を明らかにするため、女子大学生72名を対象に調査を行いました。「推し」が男性である時、女性である時それぞれに分析を行った結果、男性推し、女性推しの性格いずれも、自分の性格と比較的似ている傾向があることがわかりました。また、男性推しが「アイドル」である時に最も同一視する傾向が高く、女性推しが「俳優・モデル」である時に最も尊敬・憧れの気持ちが強くなることが示唆されました。

この授業では、課題や仮説の設定、調査の実施、データ分析、考察、最終プレゼンテーションの一連の過程を通して、4年生の「卒業研究」に向けた基盤作りをすることが出来ました。また、グループで研究を進めることで、他者と協働する力を身につけられたのではないかと思います。
この1年で培った様々な力を次年度以降、さらに伸ばしてくれることを期待しています。(part2に続きます)

心理学演習(3年次ゼミ)担当: 尾崎 仁美・菊野雄一郎・下田麻衣・松島るみ

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